診療報酬調査専門組織の入院・外来医療等の調査・評価分科会に5月22日に報告された2024年度診療報酬改定の影響検証調査の速報によると、「地域包括医療病棟入院料」を届け出ている施設のうち約6割が「急性期一般入院料」の届出施設であることが分かった。地域包括医療病棟を持つ施設の約9割が毎日救急受け入れを行っていることも明らかになった。
24年度改定では増加を続ける高齢者の救急搬送の受け皿として、救急患者の受け入れとリハビリテーション・栄養管理・入退院支援・在宅復帰等の包括的な提供を担う、地域包括医療病棟が創設された。
調査回答施設の入院料別の届出状況をみると、「地域包括医療病棟入院料」の届出施設が他に届出をしている入院料では「急性期一般入院料」(66.7%)が最も多く、「回復期リハビリテーション病棟入院料」(40.9%)、「地域包括ケア病棟入院料・管理料1」(33.3%)などが続く。
地域包括医療病棟の届出理由で多かったのは、「高齢者の救急搬送の増加に伴いニーズに沿った対応が可能」「経営が安定すると考えた」「急性期一般病棟入院基本料等の重症度、医療・看護必要度の基準を満たすことが困難」など。届出した結果、現時点で感じていることの上位は、「他の入院料の病棟と組み合わせることで患者の状態に即した医療を提供できている」「経営が安定してきている」「実際の患者の状態により即した入院料等であると感じている」などだった。
また、地域包括医療病棟を持つ施設の約9割が毎日救急受け入れを行っていたが、「リハビリテーション・栄養・口腔連携加算」の届出割合は17%にとどまった。届出をしない理由で最も多かったのは、「休日のリハビリテーション料の提供単位数が平日の提供単位数の8割以上を満たさないため」だった。
入院時の食費の基準額引上げの影響も調査した。給食提供等に関して見直したことを聞くと、給食運営を全面委託している施設では58.1%が「給食委託を増額した」と回答。一部委託や完全直営の施設では、「(引上げ額の)30円以上経費が増加しているため、納入方法や食材料等の変更を行い、さらなる経費の削減を行った」との回答が最も多く、全体の約4割を占めた。