株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

背側部誘導【後編】/Posterior leads[Dr.ヒロの学び直し!心電図塾(第70回)]

No.5262 (2025年03月01日発行) P.8

Dr.ヒロ|杉山裕章

登録日: 2025-02-28

最終更新日: 2025-02-26

  • このエントリーをはてなブックマークに追加


▶復習ダイジェスト

読者の皆さま,こんにちは。前回に引き続き,背側部誘導(posterior leads)を扱います。これは通常の胸部誘導(V1~V6)の延長で,その名の通り“せなか”側に電極を貼って記録する誘導でしたね。

【前編】のハイライト―電極をつける位置は覚えていますか? ポイントは,V4〜V6と同じ高さを意識して,V7:後腋窩線,V8:肩甲骨下角,V9:脊柱傍線が正しいポジションでしたよね。もちろん接頭語は「左側」です。実際に背側部誘導をつけてみた様子をご覧下さい(図1)。これは“V4→V7,V5→V8,V6→V9”方式で電極をつけています。腋窩線や肩甲骨,脊柱などのメルクマールとの位置関係が明確に示されていると思います。

ボクも臨床経験が浅かったとき,なかなか1人でV7~V9を正しく記録することができませんでした。でも,今では忘れなくなりました。練習あるのみ!

背側部誘導は,別名“後壁誘導”とも呼ばれることがありましたね。心臓の“バック”を意味するこの“後壁”は,心筋梗塞の診断において“死角”になりやすいのでした。背側部誘導は,この領域を映し出す“バックミラー”として開発された経緯があるんです。

一方で,この“後壁”という名称には注意が必要でした。他の画像診断の分野では最近,この領域は側壁ないし下壁の一部と見なされることが多く,inferolateral/posterolateral/inferobasalなどの表現が“乱立”しています。

ただ,心電図の世界では古い名称が残っており,いまだに“後壁梗塞”といった表現が普通に登場します。

プレミアム会員向けコンテンツです(連載の第1~3回と最新回のみ無料会員も閲覧可)
→ログインした状態で続きを読む

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連求人情報

公立小浜温泉病院

勤務形態: 常勤
募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・整形外科 各1名
勤務地: 長崎県雲仙市

公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

当病院は島原半島の二次救急医療体制の救急告示病院として救急患者を受け入れています。
又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。

●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問診療、訪問看護、訪問介護体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top