わが国の病院勤務医の約4割がいわゆる過労死ライン(残業月80時間)を超えており、3.6%が「自殺や死を毎週または毎日具体的に考える」という。驚くべき数字であり、この状態は人権上許されるべきではない。
「医師の働き方改革」を進めるに当たっては、この問題意識をぶれずに、原点に置くことを忘れないようにしたい。勤務医が過労死することなく、心身ともに充実した状態を保ちながら日々の診療に携われるようにする。それを前提に、これからの医療体制や医師の養成、医療機関への支援はどうあるべきかを再構築していくことが必要だ。