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【文献 pick up】糖尿病(DM)例に対する積極的降圧の有用性は確認できたか:BPLTTC最新メタ解析

宇津貴史 (医学レポーター)

登録日: 2022-08-10

最終更新日: 2022-08-10

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糖尿病(DM)患者に対する、収縮期血圧(SBP)降圧目標を「140mmHg未満」よりも大幅に引き下げる「積極的降圧」の有用性は、それを証明すべく5000例弱を平均4.7年観察したランダム化比較試験(RCT“ACCORD”で確認されず[ACCORD Study Group. 2010、その後のメタ解析でも、2型DMが「SBP140mmHg」なら、それ以上の降圧は心血管系(CV)疾患を抑制していなかった[Emdin CA, et al. 2015

これらのエビデンスにより、DM例に対する積極的降圧の有用性は否定されるのだろうか。そのような問へのヒントを得られるメタ解析が、7月22日、Lancet Diabetes Endocrinol誌ウェブサイトで公開された[Nazarzadeh M, et al. 2022

BPLTTCメタ解析」として知られる研究で、事前に定められた基準に適合するRCTを前向きに登録し、患者個々のデータを用いた解析を実施するのが特徴である。

今回解析対象となったのは、51の降圧RCTに参加した358533例である。うち103325例にDM診断歴があった(DM例)。DM例を対象とした降圧メタ解析としては、最大規模である。

その結果、まず、降圧に伴う「脳血管障害・虚血性心疾患・心不全死/入院」(CVイベント)減少作用は、DM、非DM例とも、試験前SBPの高低(「<120」~「≧170mmHg)に、影響を受けていなかった(交互作用P1.00)。

ただし、DM例では非DM例に比べ、「降圧に伴うCVイベント相対リスク減少率」が減弱する傾向がみられた。

たとえば、SBP「5mmHg」低下に伴う「CVイベント」ハザード比(HR)は、DM例では0.9495%信頼区間[CI]0.910.98)であり、非DM例(0.890.870.92)に比べると相対リスク減少率は低い(このリスク減少率の差は、DM合併の有無に有意な影響を受けていた)。

同様に、SBP低下幅とCVイベントHRの間には、DMの有無を問わず負の相関が認められたものの、DM群の回帰直線の傾きは、非DM群に比べゆるやかだった(検定なし)。

原著者らはこれらより、DMへの降圧治療は(非DM例より効果は弱いものの)、治療開始時血圧の高低を問わず、降圧幅の増加に伴いCVイベントリスクを低下させると主張している。

なお、DM例では、5mmHgの降圧に伴う、CV死亡のHR1.0395%CI0.971.10)、総死亡は1.00(同:0.961.04)だった。いずれも、治療開始時血圧の高低に影響は受けていない。

BPLTTC研究は、英国心臓財団、英国国立健康研究所、Oxford Martin Schoolから資金提供を受けている。

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