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低体温症[私の治療]

No.5118 (2022年05月28日発行) P.41

工藤大介 (東北大学大学院医学系研究科外科病態学講座救急医学分野准教授,東北大学病院高度救命救急センター准教授)

登録日: 2022-05-31

最終更新日: 2022-05-24

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  • 低体温の重症度に応じた身体所見から病態を認識する。重度低体温では容易に致死性不整脈を生じるが,気道確保を含む蘇生を優先し,同時に復温を行う。低体温に伴う心肺停止は,32℃以上に復温するまで蘇生を諦めない。

    ▶病歴聴取のポイント

    低体温症は原因により分類され,低温環境のみに起因する一次性と,アルコール,薬剤,外傷,感染症,高齢,併存疾患などによる二次性がある。低温環境(雪崩,溺水,環境温など)や曝露時間などが予後に関わる。

    心停止例においては,低体温による心停止,心停止後の体温低下のいずれかも含め,状況を聴取する。

    脳が保護されるレベルまで体温が低下するより,不可逆的な低酸素脳症となるのが先である場合は,神経学的予後は不良である。

    ▶バイタルサイン・身体診察のポイント

    深部体温やバイタルサイン,意識レベルによる重症度分類(Swiss staging system)が用いられている。

    hypothermia Ⅰ:32~35ºC。軽度意識障害,戦慄(ふるえ)がある。
    hypothermia Ⅱ:28~32ºC。中等度以上の意識障害,戦慄(ふるえ)の有無は問わない。
    hypothermia Ⅲ:28ºC未満。重度意識障害,脈や自発呼吸はある。
    hypothermia Ⅳ:心停止状態。

    年齢や基礎疾患,併存疾患により,深部体温とバイタルサインや意識レベルは必ずしも一致しないことに注意する。

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