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骨盤臓器脱に対する最適な手術治療は?

No.5064 (2021年05月15日発行) P.47

柿崎秀宏 (旭川医科大学腎泌尿器外科教授)

高橋 悟 (日本大学医学部泌尿器科学系主任教授)

登録日: 2021-05-13

最終更新日: 2021-05-11

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  • 骨盤臓器脱の手術治療には,自己組織で修復するnative tissue repair,メッシュ手術,腹腔鏡手術(ロボット支援手術を含む)など,いくつかの選択肢があります。臓器脱の部位,患者年齢,腹圧性尿失禁の合併の有無などの患者側の因子によって術式の選択が異なると思いますが,最適な術式の選択に関して教えて下さい。日本大学・高橋 悟先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    柿崎秀宏 旭川医科大学腎泌尿器外科教授


    【回答】

    【経腟・経腹式,自己組織・メッシュ使用による修復がある】

    骨盤臓器脱は閉経後高齢女性に多くみられ,加齢,閉経のほかに経腟分娩(多産,難産),肥満などがリスク因子です。骨盤臓器脱のタイプには膀胱瘤,子宮脱,直腸瘤があり,子宮摘除後症例では腟断端脱がみられます。修復手術には,アプローチによる経腟・経腹式と,筋膜などの自己組織を用いた術式(native tissue repair:NTR)とメッシュを使用するものがあります。

    従来最も普及している術式は腟式子宮摘除術と腟断端固定術・腟壁形成術の併用ですが,少なからず再発がみられます。これらのNTRに加えて,2000年に経腟式メッシュ(tension-free vaginal mesh:TVM)手術が誕生し,低い再発率と低侵襲性からわが国でも普及し,2010年に膀胱脱手術(メッシュを使用するもの)として保険収載されました。しかし,創部メッシュ露出や慢性疼痛などの合併症に対して米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)は警告を発表し,2019年にはTVM手術用メッシュの米国内での販売を停止しました。幸いわが国では,米国と比較して手術関連合併症の発生率は低いです。現在も国内メーカーのメッシュ供給が継続され,同手術は施行可能ですが,厳格な適応判定と合併症の回避が求められています。

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