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■NEWS 【米国心臓病学会(ACC)】SGLT2阻害薬によるHFrEF転帰改善は、基礎治療により異なるか?:DAPA-HF後付け解析

登録日: 2020-04-08

最終更新日: 2020-04-08

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昨年の米国心臓協会(AHA)で報告されたランダム化試験“DAPA-HF”では、SGLT2阻害薬が2型糖尿病合併の有無を問わず、収縮障害心不全(HFrEF)例の「心血管系(CV)死亡・心不全増悪」を有意に抑制し、大きな話題となった。本試験は同時に、神経体液性因子に直接介入することなくHFrEF例の「総死亡」が抑制された初めての大規模試験でもあり、その作用機序に注目が集まっている。ただし現時点で、SGLT2阻害薬によるHFrEF転帰改善機序はまだ明らかになっていない。

そこでDAPA-HF試験におけるHFrEF基礎治療の有無、強弱別にSGLT2阻害薬の有用性を比較すれば、基礎治療のどの部分を補っているかが明らかになるかもしれない。そのような発想から行われたDAPA-HF試験後付け解析の結果が、コロナウイルス流行のためWeb上のみで開催された米国心臓病学会学術集会(バーチャルACC)で発表された。Kieran Docherty氏(グラスゴー大学、英国)が一般セッションにて報告した。

DAPA-HF試験の対象は、「左室駆出率(EF)≦40%」で血中NT-pro BNP上昇を認める、NYHA分類Ⅱ度以上の心不全4744例である。これらをSGLT2阻害薬群とプラセボ群にランダム化し、18.2カ月間(中央値)二重盲検法で追跡した結果、SGLT2阻害薬群における「CV死亡・心不全増悪」(1次評価項目)リスクは、相対的に30%の有意低値となっていた。

今回あらためて背景治療を調べると、利尿薬は84%で用いられており、アルドステロン拮抗薬も71%で使用されていた。またアルドステロン拮抗薬使用例の88%が、目標用量の50%以上の用量を服用していた。SGLT2阻害薬には利尿作用があるため、それが奏功した可能性を示唆する声もあるが、利尿作用のある薬剤はすでに十分に用いられていた形である。そして事実、利尿薬の有無、アルドステロン拮抗薬の有無は、SGLT2阻害薬による「CV死亡・心不全増悪」抑制作用に、影響を及ぼしていなかった(交互作用P値はそれぞれ0.270.97)。

同様に、アンジオテンシンⅡ受容体・ネプリライシン阻害薬(ARNi)や、交感神経非依存性心拍数低下薬イバブラジンの有無にも、SGLT2阻害薬による1次評価項目抑制作用は影響を受けていなかった。レニン・アンジオテンシン系阻害薬、β遮断薬も例外ではない。これらはほぼ全例で用いられていたため、服用用量が目標の「50%未満」と「50%以上」に分けて検討したが、やはり有意な交互作用は認められなかった。

このようにSGLT2阻害薬は、HFrEF基礎治療の有無、強弱にかかわらず、「CV死亡・心不全増悪」を抑制していた。すなわち「SGLT2阻害薬による抑制作用は従来治療に付加的であることが示唆される」とDocherty氏は結論していた。

DAPA-HF試験本体は、AstraZenecaの出資を受けて実施された。また本解析は報告と同時に、Eur Heart J誌にオンライン掲載された。

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