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■NEWS フェブキソスタット、日本では使用患者限定の必要なし―薬食審調査会

No.4967 (2019年07月06日発行) P.65

登録日: 2019-06-28

最終更新日: 2019-06-28

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薬事・食品衛生審議会の安全対策調査会は26日、帝人ファーマの痛風・高尿酸血症治療薬「フェブリク」(一般名:フェブキソスタット)について、添付文書を改訂し、心血管疾患のリスクに関して注意喚起することを了承した。米国では心血管死のリスクを踏まえて使用患者を限定する措置がとられたが、現時点で日本において臨床上の位置づけを変更する必要はないと結論づけた。

改訂後は「重要な基本的注意」の項で、同薬を投与する場合の心血管疾患の増悪や新たな発現に注意を呼び掛ける記載を加える。

米食品医薬品局(FDA)は今年2月、同薬の製造販売後臨床試験「CARES試験」で、同薬の心血管死のリスクがアロプリノールより高かったことから、添付文書の改訂を指示。投与対象をアロプリノールによる治療で効果不十分または忍容性がない患者に限定した。

これに対し調査会は、CARES試験では欧米人と比較して心血管系リスクが低いアジア民族のデータが少なく、また尿酸生成抑制薬としての有用性が否定されたわけではないことなどから、日本において米国と同様の措置をとる必要はないと判断した。ただし、心血管死という事象の重篤性を考慮し、添付文書の「その他の注意」にCARES試験の結果の詳細を追記する。

厚生労働省は近く、添付文書改訂について都道府県を通じて医療関係者に周知する。また、日本人における同薬の心血管系イベントの情報を収集し、今後の評価に役立てるため、医療情報データベース「MID-NET」などを活用した調査を検討する方針。

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