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■NEWS タスクシフティング「される側」の視点求める意見も―医師の働き方改革検討会

No.4925 (2018年09月15日発行) P.18

登録日: 2018-09-04

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厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」は3日、医師から他職種へのタスクシフティングについて日本外科学会と日本麻酔科学会から意見聴取した。

外科学会の馬場秀夫理事は、保険収載の拡大で今後増加が見込まれるロボット手術や腹腔鏡手術によって手術の延べ時間が伸び、外科医の長時間労働に拍車がかかる恐れを指摘。さらに、併存疾患を持つ高齢患者の増加が周術期管理の要求水準を高め、労働時間がさらに長くなることを危惧した。一方で、「手術症例数の削減につながる労働時間規制は誰も望んでいない」とし、労働時間短縮への最重要の対策として「抜本的なタスクシフト」を要望。手術後の病棟管理業務を担える医療職種を「速やかに充実すべき」とした。

麻酔科学会の稲田英一理事長と上村裕一副理事長は、麻酔科医の業務量を軽減する観点から、周術期に複数の特定行為を実施できる看護師の養成を提言した。

検討会構成員からはタスクシフティング推進の方向性に異論は出なかったものの、医師の業務を「移管される側」の視点の考慮を求める声が複数上がった。

城守国斗構成員(日本医師会)は「他職種も目一杯業務をこなしている中で、医師の業務を単純にシフトすれば他職種の負担増につながる」と提起。裵英洙構成員(ハイズ株式会社)も「他職種が医師の下請けにならずに誇りを持って仕事できることが重要」と指摘した。山本修一構成員(千葉大病院)は「医師の業務を中間職種に預けるのは必須の流れ」としつつ、「新たな人件費が生まれるのは経営上厳しい」と述べ、財政的な裏付けが必要との考えを示した。

特定行為を実施できる看護師の養成増や新たな職種を求めた外科学会と麻酔科学会の幹部ら

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