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■NEWS かかりつけ医機能を評価する既存報酬の抜本的見直しを提言―財政審・春の建議

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財政制度等審議会(財務大臣の諮問機関)は5月27日、春の建議「激動の世界を見据えたあるべき財政運営」を公表した。医療については現役世代の保険料負担軽減のため、病院と診療所の経営状況や費用構造の差異に配慮しつつ、全体として診療報酬の適正化を図ることが必要だと主張。2026年度診療報酬改定では特にかかりつけ医機能を評価する既存報酬について、基本診療料への包括化や廃止などの抜本的見直しを行うよう求めた。

建議は、かかりつけ医機能報告創設後では初となる次期改定について、全人的なケアを提供する医療機関を重点的に評価する報酬体系とする契機にすべきだと提言。そのためにはかかりつけ医機能に関する既存評価の抜本的な見直しが必要だとし、①「地域包括診療料・加算」と「認知症地域包括診療料・加算」を統合した上で、個々の医療機関が担うかかりつけ医機能をよりきめ細かに評価できる報酬体系に再構築する、②「外来管理加算」を「再診料」に包括化し、当該加算が果たしてきた役割・機能は他の関連管理料・加算との間で整理・統合する、③「機能強化加算」は初診時のかかりつけ医機能の発揮を的確に評価しているか検証した上で、廃止を含めた抜本的見直しを行う―などの検討を促した。

「生活習慣病管理料」については、薬物療法で状態が安定している患者の経過観察頻度を数カ月に1回とする諸外国の診療ガイドラインなどを参考に、血圧がコントロールされている患者の算定頻度を現行の月1回よりも長くすることなどについて、検討を求めた。

診療所の地域偏在解消を促す方策として、地域別診療報酬の仕組みを活用して診療所不足地域と過剰地域で異なる1点当たり単価を設定する、ある地域で特定の診療科の医療サービスが過剰であると判断される場合は、当該医療サービスを「特定過剰サービス」として診療報酬を減算するなどの案も改めて提示した。

■リフィル処方推進のための加・減算措置の検討も提言

リフィル処方を短期間で強力に推進する必要性も強調。具現化のための取り組みとして、早期に的確なKPIを設定するとともに、リフィル処方の実績をリアルタイムで確認できる仕組みの構築や、慢性疾患などで継続的な状況確認が必要な場合でも薬剤師との連携によりリフィル処方が活用されるような診療報酬上の加・減算措置の検討なども提言した。

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