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重要視されるACP、どのように実施していますか(紅谷浩之 オレンジホームケアクリニック代表)【この人に聞きたい】

No.4893 (2018年02月03日発行) P.8

紅谷浩之 (オレンジホームケアクリニック代表)

登録日: 2018-02-02

最終更新日: 2018-02-01

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変化やあいまいさを含め、話し合いを継続する過程すべてがACP
それが、「生活」の視点でその人らしさを支える
在宅医療のあるべき姿であり醍醐味

 

べにや ひろゆき:1976年福井県生まれ。2001年福井医大(現・福井大)卒。福井県立病院などで救急総合診療を学んだ後、同県内の診療所で地域医療を実践。11年福井市にオレンジホームケアクリニック開設。重度心身障害児者日中活動拠点や健康相談所、外来診療所などを展開

アドバンス・ケア・プランニング(ACP)の重要性が高まっている。在宅医療などでACPを実践するオレンジホームケアクリニックの紅谷浩之氏に話を聞いた。

─紅谷先生が考えるACPとはどのようなものですか。

人生の最終段階と言われるような時期にどういうケアを受けたいか、本人の希望を共有しておくものです。胃瘻や延命措置の選択など具体的な処置を決める事前指示書の形ではなく、私は、共有する時間や雰囲気を含め、話し合いを継続する過程全体をACPと解釈しています。考えが変わっても構いませんし、「迷っている」というのもACPだと思います。ケアを行う上で、病気だけに振り回されずに、その人が人生で大事にしていることを尊重するための取り組みだと言えるでしょう。

─ACPの開始は早すぎても遅すぎても良くないという指摘もあります。

個人的には、早く始めるに越したことはないと考えています。早すぎることのデメリットは、現実味がなく、夢や希望ばかりになってしまうことだと言われています。しかし、具体性はなくても、どんなことを言ったり思ったりする人なのかという人生観や死生観に関する集約は、常に行っておいてもよいのではないでしょうか。

私が実践していることとしては、外来で月に1回降圧薬をもらいにくる以外は元気な方に対しても、もしがんになったらどう過ごしたいかなどを常日頃から聞き、カルテに残すなどしてスタッフで共有しています。人となりを知りたいというスタンスから生まれるやり取りですが、それが後にACPとなる訳です。

早くからACPを考えている人は、いざ病気になった時にも葛藤が少ないように見えますし、家族がケアを選ぶときの心理的負担も軽減されます。医療者だけでなく、本人や家族にとっても有意義だと感じています。

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