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放射線治療[炉辺閑話]

No.4889 (2018年01月06日発行) P.90

舳松 洋 (東邦大学医学部東邦会会長)

登録日: 2018-01-06

最終更新日: 2017-12-22

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私にはC型肝炎の後遺症があり、毎月血液検査を実施していました。ある月、γ-GTP値が100近くに急上昇、酒の飲み過ぎかと思いましたが、GOT・GPT値は上昇せず、がんを疑い諸検査の結果、総胆管にがんが発見され、摘出手術不能にて放射線治療となりました。放射線照射は、1回10分、計30回です。放射線治療は放射線が見えるわけでもなく、照射部位も痛くも痒くもありません。

放射線に関連しては、古くは広島、長崎の原爆、最近では地震の津波による東京電力の福島第一原子力発電所事故が話題となりましたが、柏崎刈羽原子力発電所が原子力規制委員会から合格・再稼動が認定されました。認定に関してマスメディアは執拗に危険を報道し、不安を煽っています。しかし、この世に絶対安全などありえません。安全基準があまり厳しいと費用が680億円以上かかり諦めざるをえず、従来の化石燃料に頼らざるをえません。広島では、過ちは繰り返しませんと表現していますが、原爆を投下したのは米国で、米国を責めるべきでしょう。

日本人は放射線アレルギーで、放射線に関することには敏感に反応しますが、放射線は医療その他で安全に応用されています。

医療関係では、X線検査、CT検査、放射線照射治療その他で、広範囲に応用されています。

原子力発電所の中には既に稼動している発電所もあります。また、原子力船、原子力空母、原子力潜水艦は、燃料の補給をせずに長距離、長時間航行できます。宇宙船などにも応用されています。日本は非核三原則で核保有不可で、米国の核の傘で守られていますが、日本周辺では中国、北朝鮮、ロシア、インドが核保有国です。これらの国は核保有により国の安全を守っています。

放射線が人類にとって、かけがえのない恩恵をもたらしていることを忘れないように、安全に平和利用したいものです。

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