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舞台は世界に![炉辺閑話]

No.4889 (2018年01月06日発行) P.61

友田幸一 (関西医科大学学長)

登録日: 2018-01-04

最終更新日: 2017-12-21

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本学は高等教育の国際化に向けて、さらに英語力を強化し、新しい医療技術や研究成果など「関西医大ブランド」として医学界、産業界、社会へ発信すること、また、高度医療人育成制度とともに新たに高度研究人育成制度を立ち上げ、世界を舞台に活躍するグローバルリーダーの人材育成などを担う「グローバル・コア・センター構想」を掲げています。先般のTHE世界大学ランキング2018では、教育・研究・国際活動が評価され総合800~1000位グループにランクインしました。国内の単科医科大学中ではトップ6位に位置します。

大学は論理的思考力を鍛え、物事の本質を見きわめるための「科学の目」を涵養する場であります。そして、学生はこの未来開拓力をもって社会に、世界に貢献してほしいと思います。本学の3学年のカリキュラムの中に「配属実習」があります。これは研究マインドを育てる目的で、主に基礎系の研究室に配属し実習を行っていますが、私はもっと視野を広げてもらうために、学生の主体性を尊重し、学生自身が自由に実習計画を立て活動する自由プログラムを取り入れました。これによって他大学、学外の施設での短期留学、海外インターンシップ、語学研修、ボランティア活動などを通じて新しい発見や様々な体験をすることができ、人間性に磨きをかけることができます。

当初はなかなか計画が出てきませんでしたが、徐々に彼らの主体性が芽生え、いろいろな企画が出てくるようになりました。医学部は専門的カリキュラムがびっしりと組まれていますが、大学6年間の丁度中間の時期に1カ月間、自らの可能性に挑戦することは、生涯においても重要と考えています。

さらに一昨年、国連のアカデミック・インパクト(UNAI)に加盟しました。国連が掲げるビジョンの中で、医科大学は医療活動を通じて国際協力・支援が可能で、そのために海外の大学や医療施設間の連携・協力、すなわち“articulation”が求められます。歴史的に日本は海外に出て様々な知識、技術を学んできましたが、これからは日本の医療知識・技術を提供する時期にきていると思います。本学も現在、国際ロータリークラブとともにベトナムの医療機関と協定を結び、医療教育支援活動を行っています。これからは、学生、教職員も一緒になってグローバル活動に積極的に取り組んでまいります。

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