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医療に係わるコーディネーターあれこれ[炉辺閑話]

No.4889 (2018年01月06日発行) P.34

松本吉郎 (日本医師会常任理事)

登録日: 2018-01-02

最終更新日: 2017-12-21

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Web上で、「医療、コーディネーター」をキーワードにして検索すると、医療に係わるコーディネーターは27種あった。その活動内容の多くは、単なる調整役ではなく、医療現場においてハイレベルの仕事が要求され、かつ最善な結果が求められる。それだけに、コーディネーターには経験を積んだ医師や看護師といった、医療従事者が兼ねているケースが目立つ。中でも、移植やCRC(治験)などはその代表格であり、その道のスペシャリストとして確立されている。また、在宅医療や災害医療などでも周知のとおりであり、欠かせないキーパーソンとなっている。さらに、介護のケアマネージャーも、コーディネーターと言ってよいだろう。しかし、私達は、医療の現場に活躍の場を広げているコーディネーターの活動内容をすべて把握しているわけではない。そこで、是非覚えて頂きたいコーディネーターを挙げておきたい。

1つ目は、「医療的ケア児等コーディネーター」である。小児在宅ケアにとって、多職種間の円滑な連携をはじめ相談支援、地域に必要な資源等の改善、確保に向けて地道な支援活動を行っているコーディネーターは必須である。相談支援専門員等が担当する。2つ目は、「災害医療コーディネーター」である。災害時には混乱の中でDMATやJMAT等多くの支援者が現場に入っていくが、異なる団体や職種との連携がキーポイントとなっており、災害時におけるコーディネーター機能は欠かせない。3つ目は、埼玉県や東京都で活躍している「母体新生児搬送コーディネーター」である。ハイリスクの妊産婦に対し、7年前から埼玉県ではコーディネーター(助産師)が365日24時間体制で出産医療機関(県内外)への搬送調整を行い、成果を上げている。4つ目は「治療と職業生活の両立支援コーディネーター」であるが、まだまだ認知度が低く、これからの活躍が注目される職種である。

以上、今回は4種のコーディネーターを紹介したが、今後医療現場でのコーディネーターの必要性はさらに高まり、職種も重要度も増していくと考えられる。

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