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母親が乳癌で死亡した子の乳癌検診推奨年齢は?【男女25歳から半年ごとの視触診と年に1回のマンモグラフィー検診またはMRI検診を】

No.4882 (2017年11月18日発行) P.63

松嵜正實 (星総合病院外科部長)

登録日: 2017-11-17

最終更新日: 2017-11-14

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  • 乳児期に母乳栄養で育てられた3人兄妹(25歳男性A,23歳女性B,19歳女性C)。母親は,Cが生後7カ月のときに乳癌と診断され,手術・化学療法を行いましたが,2年後33歳で亡くなりました。BとCが乳癌検診を受けはじめる推奨年齢は何歳でしょうか。また,Aも乳癌検診を必要とするでしょうか。

    (神奈川県 S)


    【回答】

    家族性(遺伝性)乳癌のことを心配されてのご質問かと思います。

    母親の乳癌が遺伝性乳癌(BRCA1,BRCA2遺伝子変異を伴う乳癌)と判明すれば,その子が乳癌になる危険性は一般の女性が乳癌になる危険性の10~19倍高いと言われます1)。遺伝性とわかっていなくても,母親が乳癌であるだけで,その子が乳癌になる危険性は一般の女性の2~4倍高く,母親以外にも叔父,叔母,従姉妹まで含め乳癌の家族歴が増えれば,危険性はさらに高くなります。

    また,母親の乳癌発症年齢よりも次の世代の乳癌発症年齢は7~8歳若いと言われています2)。つまり,子は母親の乳癌発症年齢よりも若い時分から乳癌に気をつけなくてはなりません。

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