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遺伝性乳癌卵巣癌症候群[私の治療]

No.5119 (2022年06月04日発行) P.48

小林佑介 (慶應義塾大学医学部産婦人科学教室講師)

青木大輔 (慶應義塾大学医学部産婦人科学教室教授)

登録日: 2022-06-02

最終更新日: 2022-05-31

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  • 遺伝性乳癌卵巣癌症候群(hereditary breast and ovarian cancer syndrome:HBOC)は,BRCA1とBRCA2(BRCA)遺伝子の生殖細胞系列の病的変異(バリアント)を原因として乳癌,卵巣癌,膵癌,前立腺癌の発症リスクが上昇する病態であり,常染色体顕性遺伝(優性遺伝)形式を示す。2020年4月からのHBOC診療の保険収載により,BRCA遺伝学的検査や,HBOC患者へのサーベイランスなどとともに,健常臓器の摘出という観点から自費診療で行われてきたリスク低減手術も,乳癌もしくは卵巣癌の既発症症例に限り保険適用となった。

    ▶診断のポイント

    がん抑制遺伝子であるBRCA1遺伝子(17q21. 31),BRCA2遺伝子(13q13. 1)の機能喪失型の病的バリアントを原因とするため,生殖細胞系列でのBRCA遺伝学的検査により診断される。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    日常診療においてHBOCを見逃さないために,既往歴や家族歴の問診に十分に注意を払っている。また,HBOC患者に対してはリスク低減手術を積極的に検討するが,特にリスク低減手術の本来の役割である一次予防の効果を発揮する適切なタイミングで行うよう留意している。さらに,遺伝性腫瘍であるため患者本人のみならずその家系員へも配慮した対応が重要である。

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