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偏在対策で地域枠のマッチングを分ける案【厚生労働省】

登録日: 2017-09-29

最終更新日: 2017-09-29

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厚生労働省は27日、臨床研修に関わる医師偏在対策について医道審医師分科会医師臨床研修部会に提示した。地域枠医師の選考を一般のマッチングとは分けて実施する案を示した。

医師偏在対策の議論は現在、同省の医師需給分科会で進んでおり、厚労省は年内に対策を取りまとめる予定。このうち臨床研修に関わる対策については、医師臨床研修部会で審議する。

この日厚労省は医師偏在対策として、①地域枠の医師や地元の出身者等を対象とした選考を一般のマッチングとは分けて実施、②臨床研修病院・大学病院の指定・募集定員設定を都道府県が実施、③臨床研修病院の募集定員をさらに圧縮させ、特に大都市圏の都府県はより圧縮―との案を提示した。

部会では②③の方向性については概ね同意する一方、①の地域枠医師の選考については慎重意見も出された。厚労省は、この提案理由について、現行のマッチングシステムでは、地域枠や地元出身者とそれ以外の医師が同時にマッチングを実施するため、地域枠の学生が年々増加している状況を踏まえると、今後、地域枠の医師が、診療義務が課せられた地域の希望病院にマッチングできない可能性が生じること。さらに、出身地や大学所在地と異なる都道府県で臨床研修を行うと出身地や大学所在地への定着率が大きく低下するとのデータが明らかになっていることを説明。厚労省の堀岡伸彦医師養成等企画調整室室長は「マッチングシステムを根本から変えることを提案しているのではなく、病院が希望した場合にきわめて限定的に、地域枠の医師が行き場がなくなることのないようにするためのもの」と述べた。同省は次回以降、より具体的な資料を作成し、委員の理解を求める考え。

関連記事:地域枠要件反する医師採用の病院に罰則【医道審医師臨床研修部会】

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