日本看護協会の福井トシ子新会長は、6月27日の会見で、看護師の特定行為研修制度の推進に向け、研修環境の整備や研修修了者を地域で共有する仕組みの構築などが必要だと指摘した。
特定行為研修制度は、在宅医療等の推進に向け、医師の判断を待たずに一定の診療の補助を行う看護師を養成する制度。2015年10月からスタートした。厚生労働省は特定行為を行う看護師を25年までに10万人以上養成する方針だが、26日に公表された集計によると、制度開始から今年3月末までに研修を修了した看護師は583名だった。
福井氏は、記者から研修修了者の人数について感想を求められると、「少ない」と回答。「在宅看護の延長線上で医療行為を行っていく制度だと理解しているが、医療機関に資源が多く、地域で一足飛びにたくさんの方が研修を受けられる環境が整っていない」と課題を指摘し、研修環境の整備や講師の提供、研修修了者を地域で共有・活用する仕組み構築の必要性を訴えた。