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消化器病学の飛躍 [炉辺閑話]

No.4837 (2017年01月07日発行) P.60

峯 徹哉 (東海大学医学部消化器内科主任教授)

登録日: 2017-01-02

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私は東京大学分院の内科に勤務していたが、その後、東海大学医学部に移ってから15年過ぎた。苦労はいろいろあったが、まず消化器内科をまとめた点が大きい。

当初、東海大学消化器内科は2つ存在していた。消化器内科は第3内科と第6内科に分かれていた。当時、消化管を担当している科と肝臓を主に担当している科にわけられていた。2つの消化器内科は統合することなく、30年以上も経っていた。消化器内科は大きくわけて咽頭、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸肛門などの消化管の部門と、膵臓、胆道、肝臓という臓器を扱う部門にわけられている。この2つの科をまとめた。また、各臓器に対して大きな進歩が認められており、今回そのお話をしようと思う。

消化管については内視鏡を用いたがんの治療手技が一般的に広まった。最初はEMR(endoscopic mucosal resection)であり、内視鏡を用い病変部の粘膜下に生理食塩水を注入し、膨隆させ切除を行う。投げ縄のようにニクロム線を輪っかにして縛って焼き切る。この場合、切り取る大きさの限界がある。次に開発されたのがESD(endoscopic submucosal dissection)である。適応はEMRと同様であるがやり方が異なる。生理食塩水を注入して粘膜層を粘膜下層から剝がしていく。これによって粘膜癌であれば大きさを問わないで切除可能となる。同様のことが食道、大腸にも施行できる。保険も使える。またH. pyloriの除菌が保険収載されたことも大きい。胃癌の病原因子として認められるH. pyloriの除菌を行うことによって胃癌の発症率が減少してくると思われる。

次にC型慢性肝炎の治療についての進歩についてお話したい。C型慢性肝炎についてはインターフェロンを中心に治療が行われてきた。まず、リバビリンとの併用療法が行われ、C型肝炎ウイルス駆除率は30%くらいであった。その後ペグインターフェロンが用いられるようになり、C型肝炎ウイルスの駆除率は70%くらいまで上昇した。さらに3剤併用療法が行われるようになり、C型肝炎ウイルスの駆除率は80%となった。最後はDAAが登場し、経口薬でC型肝炎ウイルスの駆除率は90~100%となったわけである。しかも、治療期間は当初は6カ月だったのが3カ月に短縮された。

胆道系にも進歩がある。超音波内視鏡を使って瘻孔形成術ができるようになった。経消化管的にEUS-FNAを行い、胆道ドレナージを行うことができるようになった。特に膵頭部癌で十二指腸に狭窄をきたした症例などは本法の適応と考えられる。

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