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なかった時代 [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(125)]

No.4830 (2016年11月19日発行) P.74

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2016-11-19

最終更新日: 2016-11-14

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  • 便利な世の中になったものだ。これがなかった時代にどうしていたのかがわからない、というようなものが身の回りにたくさんある。私的トップスリーは、携帯電話、コンビニ、そしてインターネットだ。

    東京出張にiPhoneを忘れていった。驚くほど不便だった。ラップトップのネット接続もiPhone経由なので、完全にネット難民である。新幹線の切符は駅で購入し、用務先までの乗り換えは駅の路線図で確認。

    かつては当たり前にやっていたことがえらく面倒に感じられた。人間として進歩したのか退化したのかわからない。「便利の数だけ不便がある」という言葉を思い出した。確か山本夏彦である。ネット検索しても出てこないんで、自信ないけど…。

    今コンビニで買うものは、昔どこで買っていたのだろう。お菓子の類は駅の売店か。最近は駅の売店がコンビニになってたりするし、小さな駅の売店はなくなってしまった。売店で働いていた親切で話し好きで釣り銭勘定の素早かったおばちゃんたちはいったいどこへ行ってしまったんだろう。

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