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【私の一冊】『調理場という戦場─「コート・ドール」斉須政雄の仕事論』

No.4763 (2015年08月08日発行) P.75

大嶋健三郎 (あそかビハーラ病院院長)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-14

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  • 著者は1950年福島県生まれ。68年フランス料理界に入り、73年から12年間フランスに滞在。名だたるシェフのいるレストランで修業し帰国。86年、東京港区にあるレストラン「コート・ドール」の料理長に就任、現在は同店オーナーシェフ(斉須政雄 著、朝日出版社、2002年刊)

    よりよく成長するために努力を続けていくことの大切さを教わった

    私が勤める病院は、浄土真宗本願寺派と関係の深い大日本仏教慈善会財団が設立・運営する、独立型緩和ケア病院である。お坊さんのいる病院である。ありがたいことに、当院を訪れていただいた多くの方々から、「穏やかで、あったかい場所」、そう評価をいただいている。それは、私たちが何より大切にしているものである。

    しかしながら、裏に回ると、すべてのスタッフは、明日を迎えられないかもしれない患者さんのために、考え、話し合い、走り回っていて、さながら「戦場」のようだ。

    「戦場」という言葉は、現在の日本ではきな臭いものに聞こえるかもしれない。しかし、私はこの本に感化され、ぴったりくる言葉だと考え、用いている。

    残り338文字あります

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