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検尿からみつかる血管炎 [プラタナス]

No.4788 (2016年01月30日発行) P.1

湯村和子 (国際医療福祉大学病院予防医学センター・腎臓内科教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-01-27

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  • 11年前、初めて急速進行性糸球体腎炎で腎不全になる前に、検尿で蛋白尿・血尿で紹介された60歳の患者さんを診察した。3カ月後に、血清クレアチニン値(Cr)が上昇しはじめたので入院して頂き、腎生検を実施した。採取された腎組織には半月体形成を認める壊死性血管炎の所見が認められた(写真)。ANCA(抗好中球細胞質抗体)を測定すると陽性であり、ステロイドパルス療法を行った。血清Crの上昇は止まり、尿所見も改善した。その後、私は他の病院に移ったが、現在も通院加療しておられ、腎機能も保持されている。

    日本が超高齢社会を迎えた2000年頃から、中高年に好発し日本に多いとされる顕微鏡的多発血管炎(MPA)の患者さんが、しばしば腎臓内科に入院するようになってきた。MPAによって障害される臓器は腎臓が最も多い。血管炎のマーカーであるMPO-ANCAの測定は1997年に保険収載されたが、それまでは確定診断に至らないことが多かった。

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