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性同一性障害に対する 陰茎形成術 [プラタナス]

No.4786 (2016年01月16日発行) P.3

難波祐三郎 (岡山大学病院ジェンダーセンター教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-01-30

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  • 岡山大学病院では、2001年から性同一性障害に対する手術治療を行っている。女性から男性への性転換症(female to male transsexual:FTMTS)に対する身体的治療には、男性ホルモン補充療法、乳房切除術、子宮卵巣摘出術、尿道延長術(ミニペニス形成術)、そして陰茎形成術などが含まれる。これらの中で、最も手技的に難しいのが陰茎形成術である。それは、見た目と機能の両方が求められるからである。

    マイクロサージャリーの技術を駆使して形態的にはそれなりのものを形成することができるが、やはり色、ツヤ、肌のきめは実物とは異なる。また、太さ・長さの点では患者本人の抱いているボディーイメージとの間にギャップがある。術前に紙モデルを使って陰茎形成のシミュレーションをしているが、往々にして患者は“巨根願望”が強い。ただし男性陰茎は平常時と勃起時で長さが変わるため、どちらに合わせるか難しいところである。

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