MSDは6月23日、抗PD-1抗体「キイトルーダ」(一般名:ペムブロリズマブ)の添付文書を改訂し、HER2陽性・陰性にかかわらず胃がんの1次療法での使用が可能になったことを受けてメディア向けセミナーを開催した。セミナーに登壇した愛知県がんセンター副院長の室圭氏(写真)は「HER2陽性胃がんにおいて、14年ぶりに新しい治療法が登場した」と期待を示した。
キイトルーダは2024年に治癒切除不能な進行・再発の胃がんを対象に承認を取得。これまで添付文書には「HER2陰性の患者に投与する」とされていたが、2025年5月にHER2陽性胃がん患者の1次療法として、トラスツズマブおよび化学療法との併用療法で投与が可能になった。
室氏はセミナーで国際共同第Ⅲ相試験(KEYNOTE-811試験)について解説。同試験は日本人84例を含む698例を対象に実施され、全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)が有意に延長したと説明した。
同剤はPD-1に対するヒト化モノクローナル抗体。活性化T細胞上のPD-1に結合することにより、がん細胞による活性化T細胞の抑制を阻害しがん細胞を排除するとされており、2017年の発売以来、「悪性黒色腫」「進行・再発の子宮体がん」など21の適応症の承認を取得している。
治癒切除不能な進行・再発の胃がんに使用する場合の「キイトルーダ」の用法・用量
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、1回200mgを3週間間隔または1回400mgを6週間間隔で30分間かけて点滴静注する