慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)において,増悪とは息切れの増加,胸部不快感・違和感の出現あるいは増強などを認め,安定期の治療の変更が必要な状態をいう1)。
増悪は細菌やウイルスによる気道感染や汚染大気への曝露のほか,2型炎症の関与が示唆される好酸球性炎症も原因となる。増悪は疾患を進展させて,QOLやADLの低下に直結するばかりではなく,患者の予後とも関連するため,増悪予防策を積極的に実施することが望まれる。また,COPD患者は症状が乏しいことも多く,未診断であることも多いが,増悪時には症状が顕在化する。よって増悪を起こした患者を積極的にCOPD診断に結びつける必要がある。
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