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腹痛・急性腹症 初期診療の精度を上げる本【電子版付】

典型的なエピソードから変化球にまで対応できるようになる!

定価:4,400円
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著: 横江正道(日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院第一総合内科部長)
判型: B5判
頁数: 168頁
装丁: カラー
発行日: 2021年11月10日
ISBN: 978-4-7849-5920-4
版数: 第1版
付録: 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます)

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◆腹痛診療においては、「この患者はかなりヤバい!」「こんな疾患ではないか?」という肌感覚での重症感の推察が本質的には重要と言えます。
◆本書は、典型的な症状や所見からヒント(=らしさ)を感じられる疾患、感じられない状態、それぞれの診断アプローチについて解説しています。
◆「らしさを感じられる疾患」については、重要となる病歴・身体所見や鑑別法を紹介。「らしさを感じられない状態」については、緊急性の有無にわけて診断に迫る流れを説明しています。
◆ベテラン医師の熟達した技や思考回路を知れる、研修医・消化器科若手医師におすすめの一冊!

診療科: 内科 消化器内科

目次

1章 急性腹症を診る頭をつくる〜急性腹症の敵を知る!マッピング
1.腹痛部位別の鑑別診断
 1. 心窩部痛の鑑別診断
 2. 右上腹部痛の鑑別診断
 3. 右下腹部痛の鑑別診断
 4. 左上腹部痛の鑑別診断
 5. 左下腹部痛の鑑別診断
 6. 消化器以外の腹痛(婦人科・泌尿器科・血管外科・その他)
 7. まとめ〜急性腹症リストアップ


2章 急性腹症に対する初期アプローチ
1.初期診療のすすめ方~「らしさ」とは?
 1. ファーストインプレッション「急ぐのか?急がなくてもいいのか?」
 2. 痛がり方「痛くて動き回っているのか?じっとこらえているのか?」
 3. バイタルサイン「焦るべきか?焦らなくてもいいのか?」
 4. 病歴聴取「簡潔に聞くのか?」「じっくりゆっくり聞いてよいのか?」
 5. 身体所見「見て!聞いて!感じて!どこを触って,何を見抜く?」
 6. 随伴症状「嘔気・嘔吐・発熱・黄疸・下痢・便秘・呼吸困難はあるか?」


3章「 らしさ」を感じられる疾患へのアプローチ〜「つまねんぱ!」
A.詰まる
 A-1.上腸間膜動脈閉塞症(血栓症・塞栓症)
 A-2.総胆管結石嵌頓
 A-3.Mirizzi症候群
 A-4.尿路結石嵌頓
B.捻れる
 B-1.絞扼性腸閉塞
 B-2.精巣捻転
 B-3.卵巣腫瘍茎捻転
 B-4.S状結腸軸捻転
C.破れる
 C-1.上部消化管穿孔
 C-2.下部消化管穿孔
 C-3.特発性食道破裂(Boerhaave症候群)
 C-4.腹部大動脈瘤破裂
 C-5.肝腫瘍破裂


4章「らしさ」を感じられない状態からの診断推論
A.「らしさ」はないけど,緊急性のある患者へのアプローチ
 A-1.ショック状態
 A-2.痛みの性状・部位別アプローチ
 A-3.随伴症状から考えるアプローチ(嘔吐・下痢など)
B.「らしさ」もなく,緊急性も高くない患者へのアプローチ
 B-1.痛みの性状・部位別アプローチ
 B-2.随伴症状から考えるアプローチ(嘔吐・下痢など)
 B-3.年齢・性別・その他の病歴からのアプローチ


5章 急性腹症に対する検査のアプローチ
1.初期検査の考え方〜最初からやるべき検査と最初にはやらなくてもいい検査
2.初期画像診断のあり方〜コストと被曝とベネフィット


6章 診断精度を上げるためのエビデンス集
1. エビデンス総まとめ
2. 診断精度,検査の感度・特異度


7章 急性腹症まとめのドリル

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序文

急激に起こった患者の激しい腹痛は,どんな医師にとってもハラハラドキドキの瞬間である。もちろん,これまでの経験から「怖いものなし」という先生もいるであろうが,多くの研修医・専攻医にとっては,まさに頭と目と手を駆使しての総力戦である。先輩に聞いても,なかなか体系立った知識を教えてもらえない点も,腹痛・急性腹症診療の難しいところである。

では,どのようにその「ヤバさ」を伝えていくのか,これは指導医側の永遠のテーマなのかもしれない。今回その「ヤバさ」,すなわち「らしさ/らしくなさ」のような感覚的なものを伝える書籍をつくる機会をいただいた。我々の多くは画像診断や検査所見に依存した診療になりがちであるが,本質的には「患者を診る目」,すなわち「肌感覚での診療」がもっとも習得すべき部分である。要は「この患者はとてもヤバいのか?そして,実はこんな病気ではないか?」という推察・推論ができるようになることが医師としての熟達した技だと考える。
これは,実はそう簡単には学べない。そのため,何かしら形にして伝承できればと思い,この書籍の執筆に乗り出すことにした。自分のスキルは世界最高峰でもなければ,日本一でもない。しかし,先に生きる者の務めとして,若手医師に少しでもヒントを与えたいと思い,引用文献などに頼らない現場感覚を文章に織り込んだつもりである。もちろん,空気感を伝えることは容易ではないが,できる限りその感覚を伝えようと努力した。すぐに役立つ書籍とはならないかもしれないが,ご自身の経験から得た実感を再確認するためにお読み頂いてもよいかと考えている。
子どもの学習と違い,大人の学びは,ただ単に本を読んで覚えるだけではなく,自分のものにすることが大切である。ぜひ,「らしさ」という切り口で,ご自身の臨床能力を高めて頂ければ筆者として幸いである。

2021年10月
日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院第一総合内科部長 横江正道

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