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時間超過でも,もう少しよいだろう![病院トラブル─事務方の解決法(19)]

No.5164 (2023年04月15日発行) P.64

大江和郎 (元東京女子医科大学附属成人医学センター事務長)

登録日: 2023-04-12

最終更新日: 2023-04-11

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回復期に入り,退院を待つのみの入院患者にとっては,療養生活は単調で退屈な日々となります。そのような時に見舞客が来てくれるのは退屈凌ぎとなりますが,面会も長時間に及ぶと周囲に影響が及びます。

 看護師:○○さん,もう面会時間超過しておりますので,部屋に戻って下さい。

 患者:そうでしたか。待合室には誰もいないことですし,もう少しよいでしょう……。

 看護師:ダメですよ! 面会時間は規則で決まっているんです。

 患者:そんな固いことを言わずにさ。遠方からわざわざ見舞いに来てくれた親戚で,明日帰ると言っているので,よいでしょう。

 看護師:ダメと言ったらダメです! 規則に従って療養生活をしてくれなければ困ります。

 患者:もう少しだけと言っているのに,まったく融通が利かない看護師だな!

正しい対応はどちら?

①周囲に誰もいないと言っても,面会時間は規則で決まっており,○○さんも承知しているはずです。延長を認めると,他の入院患者にも示しがつかなくなります。

②そうでしたか,遠方からいらっしゃったのですね。そうしましたら,面会時間は過ぎておりますが,あと10分程度でしたら許可いたします。

事務長の見解

入院患者の見舞客は家族や親戚,友人,同僚,先生など様々で,また来訪する時間もまちまちです。それぞれ事情を抱えて来訪するわけですが,見舞客がどのような方なのかを見きわめて対応する必要があります。面会時間をまったく気にせず面会しているような場合には①のような対応でもよいと思いますが,業務に追われてやっとのことで来訪した身内の方などに対しては,その気持ちを推し量って②のような対応も必要かと思います。

詳しく解説すると……

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