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低出生体重児[私の治療]

No.5153 (2023年01月28日発行) P.57

伊藤 淳 (東京大学医学部附属病院小児科)

登録日: 2023-01-25

最終更新日: 2023-01-24

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  • 小さく生まれた児は,相対的に未熟であることが多く,未熟度の程度によって呼吸,循環,栄養など多岐にわたってサポートが必要になる場合がある。

    ▶診断のポイント

    出生体重が2500g未満の児を「広義の低出生体重児」と呼ぶ。このうち,1500g以上の児を「狭義の低出生体重児」,1000g以上1500g未満の児を「極低出生体重児」,1000g未満の児を「超低出生体重児」と呼ぶ。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    低出生体重児は早産児(在胎37週未満)であることが多い。児の成熟度に応じて,呼吸,循環,栄養その他のサポートが必要になることがある。一般に,36週以降,2000g以上の低出生体重児は,低血糖と黄疸のスクリーニング以上の治療が必要になることはほとんどなく,当院では出生直後より新生児室管理としている。35週台の児は,呼吸障害,血糖,黄疸のトラブルが生じるリスクが増す。新生児室管理をしている施設もあるが,当院ではシナジス(パリビズマブ)投与対象であるという意識づけも兼ねて,少なくとも最初の数日は念のためNICU/GCUで管理,その後新生児室転棟,場合によっては母とともに退院,という方針としている。

    以下では35週未満,あるいは2000g未満でNICU/GCU入院となるような児について述べるが,未熟度が高いほど,高度の治療介入を要することになる。

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