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遙かなるマチュピチュ(その3) ─ インカトレイルを行く [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(119)]

No.4824 (2016年10月08日発行) P.70

仲野 徹

登録日: 2016-10-07

最終更新日: 2016-10-11

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  • インカ帝国が築いた道は、なんと総延長3万㎞にもおよぶとされている。インカトレイルは、そのうちわずか約40kmを3泊4日で歩くだけだが、3日目、前々回書いた恐怖の峠越えの翌日の景色は感動ものだった。いろいろなタイプのインカ遺跡を見学しながら、下り基調の道を辿っていく。

    鉄や滑車を知らなかった人たちが、どれだけの労力をかけて、大きな石組みや延々と続く石の階段、石畳、石のトンネルなどを造ったのだろう。それも、おそらくは100年足らずの間に。不思議でたまらない。

    トレイルの朝はコカ茶に始まる。ポーターさんが、コカの葉で作ったお茶をテントまで持ってきてくれるのだ。コカの葉はコカインの原料なので、日本では麻薬取締法の対象である。成分が薄いとはいえ、コカ茶でも依存症の生じることがあるらしい。

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