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脳アミロイド血管症は,どのように診断すればよいのか?

No.5093 (2021年12月04日発行) P.50

齊藤 聡 (国立循環器病研究センター脳神経内科)

藥師寺祐介 (関西医科大学神経内科学講座主任教授)

登録日: 2021-12-01

最終更新日: 2021-11-30

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  • 以前より脳アミロイド血管症(cerebral amyloid angiopathy:CAA)は脳出血との関連で知られていましたが,近年,アルツハイマー病との関連で改めて注目されています。そもそもCAAをどのように診断したらよいのか,具体的な解説をお願いします。
    関西医科大学・藥師寺祐介先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    齊藤 聡 国立循環器病研究センター脳神経内科


    【回答】

     【脳アミロイド血管症の診断には脳葉に限局する出血病変の確認が有用】

    CAAは高齢者に生じる異常アミロイド蛋白沈着による小血管障害で,その障害が脳葉領域に限局するのが特徴です。臨床的には脳葉限局性出血(脳出血や脳微小出血)をきたします。従来,剖検脳での病理診断でしか判明しない疾患でしたが,生前の臨床診断法として,脳葉限局性出血病変の有無・数でCAAらしさを評価するボストン基準が開発されました1)。具体的には55歳以上で,脳葉限局性が1個あればpossible CAA,2個以上あればprobable CAAと診断されます。このボストン基準に大脳皮質脳表ヘモジデリン沈着(cortical superficial siderosis)を評価に加えた改変ボストン基準ではCAA診断の感度が向上します2)。注意事項として,ボストン基準は脳出血患者集団で妥当性を検証されたものであることを知っておかなければなりません。すなわち,健常人ではボストン基準の適応には限界があり,その解釈には注意が必要です。

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