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■NEWS 費用対効果評価の見直しで専門組織から意見を聴取―費用対効果評価専門部会

登録日: 2021-07-27

最終更新日: 2021-07-27

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中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門部会は721日、医薬品・医療機器の費用対効果評価制度の見直しについて、費用対効果評価専門組織(以下、専門組織)からの意見を聴取した。専門組織は、分析・評価プロセスの一部見直しや、企業分析の期間が上限を超えた場合の価格調整上の取扱いを厳格化することなどを提案。こうした取組みを通じて、分析期間の短縮化を図る考えを示した。

医薬品・医療機器の費用対効果評価は、①中医協による品目指定、②企業による分析(企業分析)、③専門組織による企業分析の確認、④公的分析班による企業分析の検証(公的分析)、⑤公的分析班による再分析(企業分析結果に疑義が生じた場合のみ実施)、⑥専門組織による総合的評価―の手順で進む。

■専門組織による企業分析の確認時期の変更を提言

専門組織はヒアリングで、このうち③の専門組織による企業分析の確認時期を、④の企業分析の検証後に変更する案を提示。これにより、公的分析による検証結果も踏まえた相対的な視点での企業分析の確認が可能になると説明した。さらに、再分析が必要な場合はこの段階で公的分析班から再分析案の報告を受け、事前に必要な指示が出せる仕組みに改める。

一方、分析に要する標準的な期間については現在、企業分析が最大9カ月、公的分析は通常3カ月程度、再分析まで行なった場合は6カ月程度と定められているが、専門組織の審議についての期間設定はない。このため専門組織は分析プロセスの見直しも反映させ、公的分析の期間を専門組織による企業分析と公的分析の確認プロセスも含めて3カ月(再分析を行う場合は6カ月)、専門組織による総合的評価の期間を23カ月程度に設定することも提案した。

現在、品目指定から総合的評価終了までの期間の中央値は19.2カ月。これに対して見直し後は最長でも18カ月程度となり、1カ月程度の期間短縮が可能になる見込みだ。

■企業分析が9カ月超の品目の価格調整を厳格化

専門組織はまた、企業分析期間が9カ月の上限を超え、その理由に妥当性が認められない品目を対象に、価格調整での取扱いを厳格化することも提言。データ不足などで分析不能となったものの、中医協が評価の中止を認めなかった品目の取扱いを参考例として示した。現行ルールでこうした品目は、最も小さな価格調整係数(価格の下げ幅が最も大きい区分)に該当するものとみなして価格調整が行われている。

意見陳述後の議論では、専門組織の提案内容に沿って検討を進めていく方向を確認。妥当性に欠く理由で企業分析期間が9カ月を超えた品目の価格調整では、支払・診療側とも最も小さい価格調整係数を適用するべきだとの見解で一致した。

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