株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

難治性膝下動脈閉塞へのアプローチ

No.5073 (2021年07月17日発行) P.44

髙木 元  (日本医科大学循環器内科准教授)

登録日: 2021-07-20

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

【致死的イベント回避を目標とする新しい時代へ】

動脈硬化性疾患は人口の高齢化に伴い増加しており,特に下肢虚血は治療に難渋することが多い。

特に膝窩部以下の動脈閉塞は,高度血管石灰化などによりカテーテル治療や末梢血管バイパス術が治療適応外となることも多く,この場合の治療目標は欧州心臓学会の最新ガイドライン1)ではリスク管理のみとされており,救肢への手立てが示されていない。さらに,感染性の潰瘍が併発するとデブリードマン(創処置)部位の治癒は望めず,膝上や股関節での大切断が行われ,生活に大きな障害となる。

このような治療選択肢がない現状をふまえ,標準的治療適応を逸脱した難治性病態に対する治療法がわが国には存在する。病態上有用かつ保険診療下で行える治療として,組織酸素化を促す高気圧酸素治療(2気圧以上),血管平滑筋弛緩により血流を増やす交感神経節ブロック,炎症サイトカインの除去可能なLDLアフェレーシスなどである。創傷治癒,血管新生作用が期待できる再生医療には骨髄単核球細胞移植治療があり,先進医療B(全国4施設実施)が行われている。また2019年3月に国内初の遺伝子治療薬としてHGF遺伝子治療が承認された。

このような治療により下肢切断を回避し,歩行機能を維持しつつ糖尿病や脂質代謝異常などの基礎疾患を安全に管理し,致死的イベントを回避することを目標とする新しい時代が訪れようとしている。

【文献】

1) Aboyans V, et al:Eur Heart J. 2018;39(9):763-816.

【解説】

髙木 元 日本医科大学循環器内科准教授

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連求人情報

公立小浜温泉病院

勤務形態: 常勤
募集科目: 脳神経外科・一般外科・呼吸器内科・循環器内科・神経内科・泌尿器科 各1名、消化器内科 2名
勤務地: 長崎県雲仙市

公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。長崎県島原半島の西部地区に位置し、二次救急医療体制の救急告示病院として救急患者を受け入れています。
2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
3階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

当病院は島原半島の二次救急医療中核病院として地域医療を支える充実した病院を目指し、BCR等手術室の整備を行いました。
医療から介護までの医療設備等環境は整いましたので脳神経外科医、一般外科医、呼吸器内科医、循環器内科医、神経内科医、消化器内科医の先生に常勤医師として、地域に信頼される病院を一緒に築いていただける医師をお待ちしております。
また、新たに透析治療ベッド数15床を開始致しました。将来は、ベッド数を25床に増床することを計画しています。泌尿器科(腎臓内科)医の先生を募集し、新病院の充実を図ってまいります。

もっと見る

関連物件情報

page top