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慢性疾患ケアモデルを用いた日常診療の振り返り(3)─ケアチームの継続性に支えられた新たな医師患者関係[プライマリ・ケアの理論と実践(99)]

No.5062 (2021年05月01日発行) P.12

村山 愛 (横芝光町立東陽病院)

近藤 猛 (名古屋大学医学部附属病院卒後臨床研修・キャリア形成支援センター/総合診療科)

登録日: 2021-04-29

最終更新日: 2021-04-28

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SUMMARY
重症間質性肺炎患者を前担当医から引き継ぐ際,慢性疾患ケアモデルの考え方を用いてケアチームの良さを活かしつつ,新たな医師患者関係を構築して,担当医の変更という困難を乗り越えられた事例。

KEYWORD
ケアの継続性
プライマリ・ケアに必須な特徴の1つ。情報の継続性・長期間の継続性・医師患者間の人間関係の継続性と主に3つの継続性が挙げられるが,多彩な専門家から構成されたチームによる継続性を越境型継続性という視点もある。

村山 愛(横芝光町立東陽病院)

PROFILE
自治医科大学医学部を卒業し,千葉県内の小病院に内科医として派遣されながら総合診療を実践。日本プライマリ・ケア連合学会家庭医療後期研修プログラム修了。横芝光町立東陽病院勤務。

POLICY・座右の銘
家族が力の源

1 ケース

1 関わりまでの過程

CASE:69歳男性,独居。

66歳で間質性肺炎・肺高血圧と診断され,A病院(大学附属病院)呼吸器科に通院していた。年に数回呼吸不全・心不全増悪で入退院を繰り返し,在宅酸素も利用していた。X年4月の入院を契機に酸素需要が以前よりも増大(安静時4L,労作時7L)したため,A病院担当医は神奈川県在住の娘との同居を提案したが,患者が強く自宅退院を希望したため,7月初めに自宅に近い当院(100床規模の町立病院)に転院し,循環器系を得意とするY医師が主治医となった。当院では肺高血圧・肺線維症治療薬が処方できず十分に治療できないことを伝えたが,患者は遠方のA病院の通院を拒み在宅療養を希望した。しかし,その意思決定を共有したY医師が8月末に急遽休職となり,私が診療を引き継ぐこととなった。担当するまで患者との面識はほぼなく,Y医師から十分な引き継ぎもできなかったため,カルテ上の記録で情報収集を行い,訪問診療でのフォローを開始した。

既往歴:45歳肺結核,60歳高血圧,66歳腹部大動脈瘤破裂。

高齢者総合評価:日常生活動作は呼吸状態に合わせてゆっくり行い,認知機能低下はない。要介護2。公的サポート:訪問診療・訪問薬剤1回/月,訪問看護2回/週,訪問介護1回/日。私的サポート:子ども3人(息子2人,娘1人,神奈川県在住)の訪問月1回,買い物や入院時の移動は友人が手伝ってくれる。

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