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オンラインと対面のハイブリッド学会で感じたこと[炉辺閑話]

No.5045 (2021年01月02日発行) P.45

竹内 勤 (慶應義塾大学医学部リウマチ・膠原病内科教授(第117回日本内科学会総会・講演会会長))

登録日: 2020-12-31

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第117回日本内科学会の会長を拝命し、その準備に奔走してきた矢先、新型コロナウイルス感染症が突如現れた。4月10〜12日に予定していた学会は、感染状況が改善することを期待して8月9〜11日に延期したものの第二波に見舞われ、感染対策の一環として会場での視聴者人数を抑えて行うと同時にライブ・オンデマンド配信を行うハイブリッドとして開催することとなった。

オンライン講演は、より広い視聴者に教育的な内容を届けるという観点では効率的である。学会場から遠距離にいる方、近距離でも仕事場から離れられない方、複数の会議に断続的に参加される方などにとっては利点も大きかったと思う。また、オンデマンドで繰り返し視聴するという利点もあった。結果的に内科学会参加者は、過去最大の参加者数を記録した。一方で、学会開始前にアクセスが集中してサーバーがダウンするなどのご迷惑をおかけし、対面とオンラインの同時並行の難しさも浮き彫りとなった。

学会期間中、メイン会場となった5000人を収容できる東京国際フォーラムのホールAに着席してご講演を拝聴し、また、自分自身の会場での講演を通して、オンライン講演では、視聴者の方の表情が見えない中で講演内容を伝えるのが非常に難しく、また、視聴する側からも講演者のニュアンスが伝わりにくいと感じた。頭を切り替えて、チャットによる質問などを講演の随所に取り混ぜながら進めるなど、オンラインに適した講演スタイルを考えていかなければならないとも感じた。

忘れられないのは、このような感染リスクがある中でも、東京国際フォーラムまで足を運んでくださった皆様への感謝と、講演中の満足げな表情であった。5000人の会場を埋めたのはわずか数百人程度ではあったが、その方々の表情に大いに救われた。講演者と視聴者の気持ちが同じ方向に進むことをリアルタイムで感じられる対面講演の価値は、よほどのテクノロジーの進歩がない限り失われることはないという強い思いであった。

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