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肺動脈性肺高血圧症[私の治療]

No.5029 (2020年09月12日発行) P.36

花岡正幸 (信州大学学術研究院医学系医学部内科学第一教室教授)

登録日: 2020-09-10

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  • 肺動脈に病変の主座を認め,血管内皮の過形成や平滑筋細胞の増生に基づく肺動脈のリモデリングにより,持続的な肺血管抵抗の上昇をきたす疾患の総称である。進行すると右心不全や呼吸不全を呈し予後不良である。特発性のほか,結合組織病に伴うものが多い。

    ▶診断のポイント

    安静臥位での右心カテーテル検査にて,平均肺動脈圧>20 mmHg,肺動脈楔入圧≦15mmHg,肺血管抵抗≧3Wood unitsを満たす必要がある。左心疾患,肺疾患/低酸素,および肺動脈閉塞(慢性肺血栓塞栓症など)に伴う肺高血圧症を除外することが重要である。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    共通の対応として,避妊,禁煙,インフルエンザウイルスや肺炎球菌のワクチン接種を行い,厚生労働省の指定難病として医療費助成制度の対象であることを説明する。さらに,支持療法として,在宅酸素療法の導入,利尿薬や抗凝固薬の投与を検討する。結合組織病に伴う肺動脈性肺高血圧症では,基礎疾患に対する免疫抑制療法の適応を判断する。薬物療法としては,肺動脈の弛緩・拡張を目的とした肺血管拡張療法が主体となる。選択的肺血管拡張薬には,プロスタサイクリン経路に作用するプロスタサイクリン類似薬,エンドセリン経路に作用するエンドセリン受容体拮抗薬,一酸化窒素経路に作用するホスホジエステラーゼ5(PDE-5)阻害薬および可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬の3系統があり,肺高血圧症のWHO機能分類を目安に,薬剤の特性,副作用,併用薬との相互作用などを考慮し,使いわける。あらゆる内科的治療に抵抗する重症例・進行例で,かつ55歳未満の場合には,肺移植の適応を検討する。

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