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■NEWS 新型コロナ向けDNAワクチン、参加資格など治験の詳細が明らかに

No.5020 (2020年07月11日発行) P.15

登録日: 2020-07-03

最終更新日: 2020-07-13

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バイオ製薬企業アンジェスが6月30日から開始した新型コロナウイルス感染症向けDNAワクチンの第1/2相臨床試験(治験)について参加資格などの詳細が明らかになった。

国内で開発中の新型コロナウイルスワクチンの中で最も早くスタートした今回の治験は、第1相・第2相試験を同時に進めるもので、筋肉内接種における治験薬の安全性と免疫原性を評価するのが目的。

「健康成人志願者」を対象として30例(低用量群15例、高用量群15例)を目標に被験者を募集し、大阪市立大病院で治験を実施する(2週間間隔で2回投与)。

「医療従事者中心に募集するわけではない」

阪大と連携協定を結ぶ大阪府の吉村洋文知事は6月17日の記者会見で、DNAワクチンについて「大阪市立大病院の医療従事者」を対象に投与を開始するとしていたが、アンジェスの広報担当によると、被験者は、治験登録・情報サイト「V-NET」で20〜65歳の健康成人を対象に広く募集。「特に医療従事者を中心に募集するわけではない」としている。

参加の要件は①事前健康診断と通院日程のすべてに参加可能、②健康診断の結果、治験参加に適格と判断、③健康診断時の説明で治験参加に同意─など。コロナウイルスの感染歴や喘息の症状がある人、重篤なアレルギー症状などの既往歴がある人は参加できない。

対象者拡大し阪大病院でも実施予定

アンジェスは、大阪市立大病院での治験に続き、さらに対象者を増やして阪大病院でも治験を実施する予定だが、詳細は未定。

「大阪市立大での治験の結果で次の試験のデザインが決まる。メディアで300人、400人、500人という数字が一人歩きしているが、目標症例数はまだ公開できる状況ではない。秋頃をメドに数百人規模の治験が必要とは考えている」(広報担当)としている。

アンジェスと阪大で開発を進めているDNAワクチンは、対象とする病原体の蛋白質をコードする環状DNA(プラスミド)を接種することで、病原体蛋白質を体内で生産し免疫を付与するワクチン。病原体を使用しないため、安全かつ短期間で製造可能とされている。製造は、プラスミド DNA の製造技術と製造設備を持つタカラバイオが担当している。

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