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■NEWS 2020年度診療報酬改定で、厚労省が説明動画を配信

No.5004 (2020年03月21日発行) P.70

登録日: 2020-03-09

最終更新日: 2020-03-09

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厚生労働省は35日、2020年度診療報酬改定に関する動画の配信を行った。この中で同省は、かかりつけ医機能に関する評価の充実として、▶「地域包括診療加算」や「機能強化加算」といった、かかりつけ医機能に関する評価の見直し、▶かかりつけ医と他の医療機関との連携の強化、▶治療と仕事の両立に向けた支援の充実―の3点に取り組んだと説明した。

このうち「地域包括診療加算」では、施設基準における時間外対応の要件に、「時間外対応加算3」の届出を加える。この結果、今後は、複数の医療機関が連携して時間外対応を行う場合も評価の対象となる。「機能強化加算」は施設基準の院内掲示項目に、▶必要に応じて専門医、専門医療機関に紹介する、▶都道府県が運営する医療機能情報提供制度を利用して、かかりつけ医機能を持つ医療機関を含む地域の医療機関が検索できる―ことの2点を追加。院内掲示項目と同じ内容を持ち帰れる形で患者に提供することも必要になる。

かかりつけ医と他の医療機関との連携では、「診療情報提供料(Ⅲ)」を新設する。算定対象患者の具体例では、▶「地域包括診療加算」などの届出医療機関からの紹介患者、▶産科医療機関から他の診療科に紹介、または他の診療科から産科医療機関に紹介された妊娠している患者、▶「地域包括診療加算」などの届出医療機関に紹介された患者―の3つのパターンを示した。いずれの場合も紹介元医療機関の求めに応じ、患者の同意を取得した上で、診療状況を示す文書を提供した場合に3月に1回を限度として算定するが、患者が妊婦で頻回な情報提供が必要なケースでは、例外的に月1回の算定が可能。 

「療養・就労両立支援指導料」は初回800点、2回目以降は400点を算定

治療と仕事の両立支援では、「療養・就労両立支援指導料」の対象疾患に脳血管疾患、肝疾患、指定難病を追加。主治医が情報提供する企業の連携先に、総括安全衛生管理者、衛生管理者、安全衛生推進者、労働者の健康管理等を行う保健師を追加することで、産業医のいない小規模事業場に勤務する患者でも算定できるようにする。初回と2回目以降の2段階の評価体系とし、企業から提供された勤務情報に基づき、初めて患者に療養上の指導を実施し、企業に診療情報を提供した場合に初回分として800点を算定。その後の勤務環境の変化を踏まえて再度、患者を指導した場合は2回目以降の報酬(400点)を算定する。企業側の産業医などへの情報提供方法は、文書による提供と、患者の診察に同席した産業医などに口頭で説明する場合の2つのケースが考えられるとしている。

従来の「相談体制充実加算」を廃止する代わりに、国や医療関係団体が実施する両立支援コーディネータ養成研修を終了した看護師または社会福祉士が相談支援を行った場合に算定する「相談支援加算」(50点)を新設する。

一方、ICTの利活用では、「オンライン診療料」の要件である事前の対面診療期間を、従来の6カ月から3カ月に短縮し、「オンライン診療料」の算定対象となる管理料等を初めて算定した月から3カ月以上経過し、かつオンライン診療を実施しようとする月の直近3カ月の間、毎月対面診療を受けている患者、と改める。緊急時に概ね30分以内に対面診療ができる体制を求めていた要件は削除。急変時も原則としてオンライン診療を行う医療機関が必要な対応を行うことが原則だが、止むを得ず対応できない場合は、他の医療機関で速やかに対面診療を受けられるように、予め受診可能な医療機関を患者に説明した上で、診療計画に記載しておくことを施設基準に追加する。

「ニコチン依存症管理料」では5回にわたる診察のうち、2回目から4回目までをオンラインで行った場合の区分を管理料1に設定する。初回から5回目までの一連の指導を一括で評価する報酬(管理料2)も別途新設。この場合は、初回指導時にまとめて800点を算定することになる。

20年度診療報酬・薬価改定について官報告示

また、厚労省は同日、20年度診療報酬改定と薬価改定に関する官報告示とともに、関連通知の発出を行った。留意事項通知では、「ニコチン依存症管理料1」の2回目から4回目の指導をオンラインで実施する場合の要件を、▶実施医師は初回に診察を行う医師と同一の者に限る、▶オンラインでの診察は当該医療機関内で行う─などと規定。初回から5回目までの一連の指導に対する報酬として設定された「管理料2」では、2回目以降の指導予定日に患者が受診しなかった場合は、電話などで受診を指示するよう要請した。「管理料2」においても、2回目から4回目の指導をオンラインで実施できることも示した。

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