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無症状の弁膜症にルーチンで心臓エコーの追跡検査をしない[Choosing Wiselyで日常診療を見直す(4)]

No.5002 (2020年03月07日発行) P.34

駒村和雄 (国際医療福祉大学熱海病院循環器内科病院教授)

登録日: 2020-03-10

最終更新日: 2020-03-04

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    Don't perform echocardiography as routine follow-up for mild, asymptomatic native valve disease in adult patients with no change in signs or symptoms.
    Patients with native valve disease usually have years without symptoms before the onset of deterioration. An echocardiogram is not recommended yearly unless there is a change in clinical status1).
    (American College of Cardiology:April 4, 2012)

    リスト:日本語訳

    臨床的兆候や症状に変化がないのなら,軽症もしくは無症状の弁膜症に対し,ルーチンで心臓エコーの追跡検査はしないこと。
    弁膜症患者は,通常何年もの間,症状の悪化なく過ごす。臨床症状の変化がないのに心臓エコー検査を毎年することは推奨できない。
    (米国心臓病学会:2012年4月4日)

    米国における勧告の背景

    自覚症状や他覚症状に変化がないのに,もともと無症状もしくは軽症の弁膜症患者に毎年心エコーをすることは推奨しない,とした米国心臓病学会の勧告である。米国での心臓エコー検査はわが国よりはるかに高額であるという事情も背景にあると思われる。

    根拠となった米国心臓病学会誌のAppropriate Use Criteria for Echocardiography(心臓エコーの適切な使用基準)論文2)では,202の検査適応が吟味され,適正さにつき1~9のスコアで評価された。全適応は,スコア7~9の適正使用,4~6の適正不明,1~3の不適正使用に分類された。臨床症状の変化に対する検査や検査結果が疾病管理を変更する可能性のある場合に,エコー検査は適正と評価された。逆に,症状に変化のない場合のルーチン検査や検査結果が疾病管理に影響しない場合のエコー検査は,不適正とされた。その結果,97の適応が適正使用,34が適正不明,71が不適正使用と評価された。本勧告は不適正使用の一例を示したものである。

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