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匍匐前進[プラタナス]

No.4999 (2020年02月15日発行) P.3

保科大地 (小樽市立病院皮膚科医長)

登録日: 2020-02-15

最終更新日: 2020-02-12

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  • 16年目の皮膚科医です。開業に舵を切る後輩の先生方を複雑な思いで見守りながら、自分自身は思うところあって道内の地方都市の病院勤務医を続けています。歴史と海と坂のある町が好きなようで、函館で5年、その後小樽に移って2年が経過しようとしています。

    今回ご紹介させて頂く疾患は、函館に勤務を始めた頃に出会った発疹で、2人の自衛隊員の方に同時期に出現しました。いずれの発疹も、少しかゆくて、移動する……。この情報だけでほぼ診断がつく「クリーピング病」です。皮膚寄生幼虫が皮内を移動して、皮膚に爬行性の線状皮疹を生じるものです。皮膚科領域では有名な疾患ですが、実際にお目にかかる機会はそんなに多くはないと思います。

    さて、自衛隊のお二人がほぼ同時期に罹患した理由ですが、お話によると函館近郊の大沼あたりで野外訓練を行ったそうで、その訓練の際に、食用できるカエルを食べたとのことでした……。まったくもってすごい訓練です。今回この症例を久しぶりに引っ張り出してきて思ったのは、戦中・戦後の不衛生な日本では、このような寄生虫感染は普通にあったのであろうなぁ、ということです。はたして当時、この皮膚症状は治療の対象となっていたのかどうか、治療を行わなかった場合、どのような経過をたどるのか、など考えて悶々としてしまいました。

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