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おせっかいおじさん宣言[なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(286)]

No.4995 (2020年01月18日発行) P.65

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2020-01-15

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正月二日、近所の回転寿司屋さんに予約してあったお寿司を取りに行った。20人近くの人が団子状で待っている。12時前というのに、まだ11時受け取り分が渡されていて、雰囲気がむちゃくちゃに悪い。

どうしてかしらんと見てみると、2~3人のお姉さんでやっているのに、段取りが最悪だ。レジが1台しかないにもかかわらず、レジ打ちのお姉さんがお客さんの呼び出しや苦情聞きもしている。あかんやろ。

お正月からイライラしたくないし、うるさいおっさんと思われたくもない。なので、とりあえずは静観することに。そうするうちに、あつかましいおばさんが登場して、店長を呼びつけ、自分のを先にしろと交渉。

それは通用せんやろうと思っていたが、登場した店長はなんとそれに対応。驚いたのは周囲の人もいっしょで、文句いうたら先にしてもらえるんか、と店長に詰め寄っていく人も。気持ちはわかる。しかし、そんなことしても待ち時間は短縮されない。

店長が出てきたので仕切ってくれるかと思いきや、お待たせしてスミマセンと謝るだけでまったく埒があかない。雰囲気がどんどん悪くなってくる。お客さんたちは、レジが手を休めるから進まないとか、ひそひそ話をしてるだけ。ここで我慢が限界に。

「レジ係は他のことをせんとレジを打ち続けなあかんやろ」と厳しく指導。そうだそうだと、周囲のお客さんから賛同があがるかと期待したが、なかった。でも、そのお姉さんは素直にレジ打ちに専念し始めた。

先の客の支払いが終わってから次の客を呼ぶのもあかんやろ。どんな順番かわからないし、時間の無駄だ。で、レジ横に入った店長に「渡す順番、3~4人先まで呼んだらどうや」と2つ目の指導を出した。

ここまできたら、ついでである。「話しかけるのは、レジのお姉さんと店長以外にしてください」とお客さんにお願い。我ながらおせっかいなおっさんである。しかし、驚くほどスムーズに人がはけ始めてびっくり。

昔の下町はこんなではなかった。えらそうな物言いになるが、ちょっと人間が劣化してきてるんとちゃうんかと思わざるをえなかった。店の人は問題外だが、お客さんだって、ひそひそブツブツ言わずに、ちゃんとした注文をつけたらええやないか。

嫌われてもええから、これからはおせっかいなおっさんとして生きていく。

なかののつぶやき

「えらそうなことを書いてますが、これを読んでなかったら、今回のような行動はとってなかったかも。正しくわがままして、おせっかいをやく。それで世の中が良くなるはず」

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