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アスファルトの色[炉辺閑話]

No.4993 (2020年01月04日発行) P.82

幅 雄一郎 (順天堂大学総合診療科)

登録日: 2020-01-06

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離島で初めて迎えた春、一本道の両脇にせり出した新緑が眩しく、白っぽい道路と紺碧の空に挟まれた緑の木々は美しさを際立たせていた。道路の中央に引かれたオレンジの線が、またよいアクセントになっていた。

日常生活でアスファルトを目にしない日はない。『オズの魔法使い』では黄色いレンガ道をひたすら歩くが、都会の道路はどこもたいていアスファルトで舗装されている。歩道や商店街ではレンガ様の舗装(コンクリートブロック舗装)もみられるが、ほとんどの日本の都市部はアスファルトで固められている。私はこのアスファルトの些か重苦しい色が好きではない。この色は黒でもないし鼠色でもない。水色でもない。しかし、私には薄い水色に見えていた頃もあったようで、学童だった時分にクレヨンの水色で道路を描いたら、教師に違う、と指摘された。一般的に、道路は水色で表現しないのだな、と理解したが、どうも釈然としなかったものだ。

アスファルトは原油からガソリンや重油等を取り出した残りで、出来立ての舗装は黒ないし濃紺で重苦しい印象だが、野晒しにされて路面の使用が進むと色あせて艶がなくなり、軽い色になっていく。が、やはり無粋さは変わりない。くすんだ鼠色と言ってもさしつかえないが、私にはブルーの成分も感じられる。恐らく粗骨材の小石の色に由来するのではないか。このほか、よく使われる舗装としてはコンクリートがある。初期費用は高いが耐久性が良く、メンテナンスが少なくて済むとされ、港湾部や空港滑走路を中心に使われている。ある離島に赴任した時、島じゅうの道路がコンクリート舗装だった。冒頭で述べたとおり「白っぽい道」は都市部に住む私にとって新鮮で風情があった。少し現実離れした感じさえあった。ローマの石畳の舗装も風情があるが、近々アスファルトに置き替えられていくそうだ。

アスファルトの道路の色を今もって何と表現していいかわからない。みなさんにとってアスファルトは何色ですか?

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