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■NEWS 労働環境改善マネジメントの基本診療料での評価で議論が紛糾─中医協・総会

No.4984 (2019年11月02日発行) P.65

登録日: 2019-10-21

最終更新日: 2019-10-21

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医療従事者の働き方改革で、厚生労働省は1018日の中央社会保険医療協議会・総会に、医療機関の労務管理や労働環境改善のためのマネジメントを入院料加算などの基本診療料で評価することを論点として提示。診療側は歓迎姿勢を見せたが、支払側は、2024年度に導入される医師の時間外労働規制に向けた取り組みの全容や、その成果が見えない現状で基本診療料での評価を検討するのは時期尚早だと反対し、両者の意見が激しく対立した。

厚労省が論点として示したのは、▶院内の労務管理・労働環境改善のためのマネジメントについて、今後全ての医療機関において実践が求められることや働き方と医療安全の関係性を踏まえ、基本診療料等における評価の在り方についてどう考えるか、▶「医師事務作業補助体制加算」等の診療報酬項目において作成を求めている医療従事者等の負担の軽減及び処遇の改善に資する計画について、医師の時間外労働規制に係る検討状況を踏まえ、見直しを検討してはどうか─の2項目。

このうちマネジメントの評価では、入院診療計画の策定や院内感染防止対策などの評価が、まず入院料加算として導入され、普及に従って減算評価、さらには入院料の要件化へと変更されていった過去の変遷を説明する資料を提出し、入院料加算などでの評価を想定していることをうかがわせた。

論点提示を受けて松本吉郎委員(日本医師会常任理事)は、医師の働き方改革に伴う医療機関の管理・事務部門の業務負担やコスト増を懸念し、「入院は特に基本的なところに手当てが必要だ」と基本診療料での評価に賛意を表明。他の診療側委員も同調したが、支払側委員は、「(医師の働きかた改革の)全体が見えない中、進捗が見えない中で、診療報酬を先付けするのは時期尚早。明確に反対したい」(幸野庄司委員・健康保険組合連合会理事)などと主張し、揃って反対姿勢を示した。

■対象年齢を3歳以上6歳未満に拡大へ、小児抗菌薬適正使用支援加算

この日は、外来における薬剤耐性対策も取り上げられ、「小児抗菌薬適正使用支援加算」の対象年齢拡大などについても議論。算定対象年齢を現在の3歳未満から3歳以上6歳未満にまで拡大することでは概ね意見の一致をみたが、算定を初診時に限定する算定要件の見直しに関しては、月2回以上の算定の容認を求める診療側と、原則月1回の算定とするべきなどとする支払側で意見が分かれた。

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