株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

(1)かかりつけ医が知っておきたい成年後見制度の基礎知識[特集:かかりつけ医のための成年後見診断書作成術[第1部]]

No.4977 (2019年09月14日発行) P.20

平田 厚 (明治大学専門職大学院法務研究科専任教授/弁護士)

登録日: 2019-09-17

最終更新日: 2019-09-11

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

1. 成年後見制度とは

成年後見制度は,判断能力が不十分である人につき,成年後見開始審判等に基づいて本人の行為能力を制限し,本人がなした行為を事後的に取り消すことができることとして本人の利益を保護するとともに,かつ,本人を支援するために同意権や代理権等を成年後見人等に付与して代弁的に支援する制度である。公的介護保険の導入時に車の両輪たるべきものとして,以前の禁治産宣告制度が成年後見制度に改正された。

わが国は法治国家であり,私的自治の原則をもって民事法の原則としているので,日常生活は様々な法的行為を行うことによって営む体制となっている。判断能力が不十分である人は,十分な法的行為を行うことができないため,成年後見制度が充実しなければ,本人の福祉が十分に図れないことになる。したがって,判断能力が不十分である人にとっては,支援してもらえるという面は非常にありがたいことであるが,権利を制限されるという面ではいささか窮屈なことでもある。

つまり,成年後見制度には,判断能力が不十分である人が不利益な契約をさせられたりしないように取消権をもって権利侵害から本人を保護するという側面と,判断能力が不十分である人がより適切な生活をなしうるように同意権や代理権をもって本人の自立生活を支援するという側面がある。本人の権利を制限する側面と本人の福祉を増進させる側面があることになるので,その両面に配慮して本人のためにどのような支援が必要なのかを考えることが重要になる。

プレミアム会員向けコンテンツです(期間限定で無料会員も閲覧可)
→ログインした状態で続きを読む

関連記事・論文

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top