日本医師会の松本吉郎会長は5月23日、自民党の「国民医療を守る議員の会」の田村憲久顧問、武見敬三会長代行、古川俊治事務総長とともに首相官邸で石破茂首相と面談、同会の決議を手渡し、医療機関の危機的状況を踏まえた対応を要望した。
要望の内容は、日医がかねて主張している①経済成長の果実の活用、②「高齢化の伸びの範囲内に抑制する」という社会保障予算の目安対応の見直し、③診療報酬等について、賃金・物価の上昇に応じた公定価格等への適切な反映、④小児医療・周産期医療体制の強力な方策の検討─の4点が柱。決議には、逼迫した医療機関の経営状況を受け「まずは補助金での早期の適切な機動的対応」「補助金と診療報酬の両面から対応」の必要性が盛り込まれている。要望を受けた石破首相は、熟慮する姿勢を示したという。
日医は同日、首相官邸での面談についてプレスリリースを公表。兵庫県伊丹市の地域医療支援病院が25年度内での診療休止を検討していることが報道されたことを紹介し、病院がなくなるという懸念していた事態がすでに起きているとして「医療現場は非常に厳しい状況にあり、ただちに対応いただかなければならない」と訴えた。
首相官邸で石破首相(中央)と面談した日医松本会長(左から2人目)