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伝記を読もう!(あるいは読んでください)[なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(266)]

No.4974 (2019年08月24日発行) P.63

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2019-08-21

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つい4回前に新しい本が出ますのでよろしく、と書いたところなのに、また新著の紹介(あるいは宣伝)をば。今度の本は、2011年に学研メディカル秀潤社から出版した『なかのとおるの生命科学者の伝記を読む』の文庫化である。

もともと雑誌連載をまとめた本だが、最初に書いた原稿は、もう10年以上前のものだ。ひさしぶりに読み返して、まず思ったのは、よくこんな下手な文章を書いていたということ。えらそうに、そんなレベルの本を出したとは、申し訳ない限りである。

文庫化にあたり、もちろん全面改訂をおこなった。あくまでも主観的にではあるけれど、だいぶましになっている。

いつものことだが、昔に書いたことなどすっかり忘れている。あぁ、このころはこんなことを考えていたのか、と思い出せるのが楽しかった。一方で、最近になって考えついたと思っていたことを、ずいぶん昔に書いていたりしていて、ホンマに進歩がないなぁと、かなり恥ずかしかったりしたのでもあるが。

文庫化にあたり、何か書き足してくださいということになって、結局、自伝を書いた。自伝といっても、研究を始めたころから教授になったころまで、10年あまりの記録である。我ながら、まぁ臆面もなくとしか言いようがない。

伝記本を紹介するという趣向の本だったのだが、単行本の出版時に、すでに絶版になっている本がたくさんあった。その傾向はさらに進み、紹介している全19冊のうち15冊までが絶版になっている。面白い本ばかりなのに、残念なことだ。

そんなこともあって、文庫版では、伝記本の紹介という体裁をとらずに『生命科学者たちのむこうみずな日常と華麗なる研究』と改題した。担当の編集者さんと相当なやりとりをして決めたタイトルなのだが、いかがだろう。

大きな研究を成し遂げるには、むこうみずと思えるような行為、それは、信じられないほどの努力であったり、そんなアホなことはやめておけと言われるような試みであったりする、が必要だ。そのことを「むこうみず」という言葉に込めてみた。

生命科学の研究って面白い、一流研究者ってすごい、と素直に感心してもらえると思います。ぜひ読んでみてください!

なかののつぶやき
「拙著、新刊のカバーには、有名な生命科学者の肖像イラストがかわいく描かれてます」

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