株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

妊産婦の診療の評価、どう考えますか?【聞かせてください! 現場のホンネ】(96)

No.4972 (2019年08月10日発行) P.66

登録日: 2019-08-11

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

世論の反発を発端として今年1月から算定が凍結されている「妊婦加算」。今秋以降、中医協で具体的な算定要件などについて議論する予定です。7月募集のアンケートでは、妊産婦の診療の評価について伺いました。

まずQ1で妊婦加算に対する考えを尋ねたところ、「妊婦加算を凍結前と同じ要件で再開すべき」を選んだ方は約17%、「妊婦加算を再開すべきだが要件はある程度厳しくすべき」を選んだ方は約8.5%で、何らかの形で妊婦加算を再開すべきという回答が計約25.5%と、約4分の1を占めました。

「妊婦加算を再開すべきではない(廃止でよい)」「妊婦加算の代わりに妊産婦の医療費を支援する制度を創設すべき」はどちらも各24%程度でした。「何らかの形で再開」「廃止」「妊産婦への医療費支援」の3つが拮抗する結果となりました。

このほか、「妊婦加算は必要。その上で医療費を支援する制度にすべき」(大阪・内科)というご意見や、「産婦人科受診時または妊娠経過に影響を及ぼすと注記した他科診察時のみ算定可とし、妊婦本人からは加算分を徴収しない」(鹿児島・産婦人科)というご提案を頂きました。

次にQ2では妊婦加算にまつわる経験や考え、妊産婦の診療全般に関する意見を自由記載で伺いました。

妊婦加算の再開を支持する理由として、医師の手間を評価するには加算が必要という声が上がりました。一方、加算は廃止すべきとする側からは、患者負担が増えるのは問題との指摘や、加算ではなく初・再診料の引上げで対応すべきとの意見が寄せられました。

多くの回答からは「高齢妊婦が増加している。お薬の使用についても細かな配慮が必要」(大阪・内科)など、現場の先生方が妊婦に対し丁寧な診察を心がけている様子が伝わってきました。

Q2:自由記載(Q1で選択した回答別)

妊婦加算を同じ要件で再開すべき

◉妊娠した患者さんには都度、本を見せながら納得してもらったお薬を処方しているので手間がかかる。それなりの加算は必要。(東京・小児科)
◉妊婦はリスクが高く、最初から診察しないようにしている。加算があれば非専門医でも診療を行う体制を整える人は出てくると思う。(三重・皮膚科)
◉産科の医師がこのままだと本当にいなくなってしまう。何らかの形で希望者が増える方法を見つけないといけない。(大阪・精神神経科)

妊婦加算の要件を厳しくすべき

◉妊婦への投薬には常に心を砕いている。ある意味いつも“ヒヤヒヤ”である。 (大阪・内科)

妊婦加算は廃止でよい

◉妊婦の診療に気を使う事は事実だが、それを加算という形で診療報酬に反映すると妊婦自身の負担額も高くなるのは問題だ。(神奈川・その他)
◉妊婦加算で受診を控える妊婦が増えることも想定される。 (北海道・その他)
◉姑息な加算より初・再診料を引き上げるほうが手続きも煩雑でなく納得が得られやすい。(和歌山・内科)

医療費を支援すべき

◉医療機関を評価するためには診療報酬に上乗せするしかなく、妊婦への補助制度を新たに追加する等の対策で乗り切るべき。(愛知・内科)
◉人口減少が進んでいる現在、産科医療は国の将来を左右する。従って全額無償にして国が責任を持つべき。 (神奈川・内科)

その他

◉妊婦・授乳中というだけで薬を処方できないという医師が多いが、実際は不勉強なだけである。勉強しエビデンスを基に処方している医師には加算を。(東京・内科)
◉配慮が必要なのは妊産婦だけではない。認知症患者や障害者等もいる。それらに加算を設けたらきりがない。 (東京・内科)

関連記事・論文

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top