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プライマリ・ケアにおけるアンチ・ドーピング─選手が安心して受診できる環境づくりを[プライマリ・ケアの理論と実践(22)]

No.4969 (2019年07月20日発行) P.8

濱井彩乃 (安房地域医療センター総合診療科部長代理/亀田ファミリークリニック館山)

登録日: 2019-07-18

最終更新日: 2019-07-17

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SUMMARY
アンチ・ドーピングはスポーツの公正さを担保すると同時に,スポーツ選手の健康を守るために重要である。「うっかりドーピング」を避けるために正しい知識や情報の調べ方を知っておくことが重要である。

KEYWORD
うっかりドーピング
ドーピング禁止物質を,意図的にではなく,つい「うっかり」使用してしまうこと。市販の風邪薬や漢方薬,喘息や高血圧の薬などにも禁止物質に含まれるものがあるため,特にドーピング検査を受ける可能性があるスポーツ選手には,適切な指導が必要である。

濱井彩乃(安房地域医療センター総合診療科部長代理/亀田ファミリークリニック館山)

PROFILE
亀田ファミリークリニック館山で家庭医療を学び,現在は小病院の指導医として勤務。Special Interestはスポーツ医学。家庭医療専門医・指導医,日本スポーツ協会公認スポーツドクター,障がい者スポーツ医

POLICY・座右の銘
Together and Alone


1 ドーピング/アンチ・ドーピングとは

ドーピングとは「競技力を高めるために薬物や方法などを使用したり,それらを隠したりする行為」である。意図したかどうかにかかわらず,実際にそのような行為を行えば違反とみなされる。アンチ・ドーピングは,ドーピング行為が行われないようにする活動のことである。ドーピングは,フェアプレー精神に反しスポーツの公正さを損ねるのみならず,スポーツ選手の健康を損ねる可能性があるものであり,アンチ・ドーピングが重要とされている。近年ロシアによる国家ぐるみのドーピングが問題となり,平昌冬季五輪への国としての参加が認められなかったことは記憶に新しい。日本選手のドーピング違反の大部分は,意図しない「うっかりドーピング」であるが,資格停止処分となれば選手活動に大きな影響をもたらす。

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