女性や多浪生の入学を制限する不正入試が昨年明らかとなった東京医大は20日、2019年度の医学部入試の結果をホームぺージで公表した。男性の合格率は19.8%、女性の合格率は20.2%で、ほぼ同率となった。
2018年度の合格率は男性9.04%、女性2.91%で、3.11倍の差があった。
同大では昨年、文部科学省の補助金事業に選定される見返りに、同省前局長の子息を合格させたとされる贈収賄事件のほか、2006年度入試から、男性・現役生を優遇する属性調整を実施していたことが明らかとなった。この問題を受けて、文科省は全国の医学部入試に関する緊急調査を実施。その結果、東京医大を含む9大学に不適切な取扱いがあったことが判明した。また、東京医大は、入試委員会の構成・選任要件の変更(執行部が入試委員に就任できないように見直し)、外部有識者による入学試験監査委員会の新設等の再発防止策を策定していた。
19年度医学部入試結果によると、受験者数は1241人で、18年度の3669人から3分の1に激減した。21歳以上の合格者は28人(男性23人、女性5人)で、18年度の17人(男性16人、女性1人)より増加した。不正入試の影響で不合格となった受験生のうち44人を追加合格としたものの、実際に入学したのは24人(男性8人、女性16人)。入学者の総計は、男性77人、女性47人の合わせて124人となった。