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夜尿症[私の治療]

No.4961 (2019年05月25日発行) P.52

大友義之 (順天堂大学医学部附属練馬病院小児科先任准教授)

登録日: 2019-05-22

最終更新日: 2019-05-21

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  • 「夜尿症」は「5歳以降で,1カ月に1回以上,(夜間)睡眠中に不随意に尿を漏らすものが,3カ月以上続くもの」と定義されている1)。夜尿は加齢とともに軽快する傾向はあるが,就学直前の5~6歳で約20%,小学校低学年では約10%台で,10歳を超えても5%前後みられ,中学校時代に1~3%までは減るがその後の改善は乏しく,治癒することなく成人に至る例は0.5%との報告がある。患児の大半は,夜尿をきたす器質的疾患を有さず,「就眠中の抗利尿ホルモンの分泌の不足による夜間多尿」や「就眠中の膀胱蓄尿量の過少」を基礎に,尿意に対する覚醒障害が加わって夜尿を呈している。

    ▶診断のポイント

    夜尿症は臨床的に2つの分類が行われている。

    1つは1次性(75~90%)と2次性(10~25%)という分類で,後者は,夜尿が6カ月以上にわたっていったん解消していたものが再燃した場合であり,尿路感染症,便秘症,脊髄疾患(脊髄炎,腫瘍など)などの有無の評価が必要であり,それらの中には生命に関わる疾患もあることに留意すべきである。これらが否定的であれば心因性の可能性が高いと判断して,カウンセリングなどの診療を考慮する。

    もう1つの分類は,単一症候性(75%)と非単一症候性(25%)という分類1)で,後者は,慢性便秘症,泌尿器科的疾患(尿路奇形,反復性尿路感染症など),代謝・内分泌疾患(糖尿病,尿崩症など),脊髄疾患(潜在性二分脊椎など),発達障害〔注意欠如・多動性障害(attention-deficit hyperactivity disorder:ADHD)など〕などの基礎疾患を有している可能性があり,昼間の排尿異常の合併が存在した場合に考慮する必要がある。非単一症候性のもので治療可能な基礎疾患を有しているならば,その治療を積極的に行う。単一症候性のものよりも治療に難渋することが多い。

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