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ナマステ!はじめてのネパール(その1)─ランタン谷トレッキング[なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(252)]

No.4960 (2019年05月18日発行) P.57

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2019-05-15

最終更新日: 2019-05-14

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10連休は、ネパールの首都カトマンズの北にあるランタン谷に行ってきた。主峰ランタン・リルンの標高が7234メートルなので、8000メートル峰がいならぶヒマラヤ山脈にしては小ぶりである。しかし、天候にもツアーメイトにも恵まれ、すばらしいトレッキングを楽しめた。

ヒマラヤトレッキングは積年の夢であった。残念ながら、夏休みの時期はモンスーンシーズンで、行くとなれば乾期である10月から5月。さすがに夏休み以外に長期休暇はとりにくいのであきらめていた。

なので、GWが10日間の連休になりそうと聞いて、真っ先に申し込んだ。エベレストやアンナプルナという有名な山も考えたのだが、残念ながら、これらの山に近づくにはたった10日間では短すぎる。

香港経由でカトマンズへ。1泊して早朝にヘリコプターでランタン谷へと飛ぶ。なんと、関西空港を出てわずか24時間でシャクナゲ咲く標高3000メートルのランタン谷に到着。まるで夢のようだ。

そこから、ゆっくりすぎるくらい高度順化しながら登っていく。最初は、すこし盛りを過ぎているとはいえ美しく咲くシャクナゲの谷。そして次第に灌木帯へと移り、ランタン・リルンや周囲の6000メートル級の山々が姿をあらわしてくる。

この谷は2015年4月25日のネパール大地震で大きな被害をうけた。ランタン谷を行き先に選んだ理由のひとつは、訪れることが震災復興のいちばんの助けになる、という記事を読んだことにある。

400名の村民が住んでいたランタン村の半分は地滑りで壊滅。トレッカーたちを含む死者行方不明者は250名を数えた。地滑り被害がなかった上ラダック村でも建物はほとんど倒壊し、現在ある建物すべてが震災後に建てられたものだ。そろった真新しさが悲しみを誘う。

ランタン村でも1泊し、丸3日かけて標高3840メートルのキャンジン・ゴンパ村へ。メインはそこからキャンジン・リへの標高差約900メートルの登山。文句なしの快晴で、素晴らしい大迫力の展望を楽しめた。

帰路はひたすら下り道。ヘリコプターで20分しかかからなかった往路が、徒歩1日半とオンボロバスで8時間。文明の威力というのはいかにすごいかを思い知らされながらカトマンズへと戻っていった。

なかののつぶやき
「白線で囲んであるのが現在残っている上ラダック村。その手前、左上から右下にかけてが、大規模な地滑りの痕です」

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